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2024年1月22日【テクノロジー】

経産省、FD等の記録媒体指定。複数の省令改正を実施

坂上 賢治

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photograph:George Chernilevsky

 

経済産業省は1月22日、記録媒体としてのフロッピーディスク等を指定する規制を見直すべく、所管する法令を令和5年12月28日に改正したことを明らかにした。

 

これは「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」(令和4年6月3日デジタル臨時行政調査会決定。)及び「デジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直しに係る工程表」(令和4年12月21日デジタル臨時行政調査会決定)に基づき、FD(フロッピーディスク)等の記録媒体を指定する規制等の見直すもの。

 

具体的には先の令和5年12月28日、「デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するための経済産業省関係省令の一部を改正する省令」(令和5年経済産業省令第63号)を公布・施行した。

 

デジタル庁(旧デジタル臨時行政調査会)では、「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン(令和4年6月3日デジタル臨時行政調査会決定/一括見直しプラン)」及び「デジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直しに係る工程表(令和4年12月21日デジタル臨時行政調査会決定)」を策定。これらに基づき、各府省でアナログ規制の横断的な見直しを進めている最中にある。

 

一括見直しプランに関しては、現行法上、申請や届出の方法でフロッピーディスク等の特定の記録媒体の使用を定める規定が数多く存在していることが、手続のオンライン化等の妨げとなっている状況があること。

 

また文書の作成等に係る規定について、クラウドサービス等を利用することは解釈上許容されるものの、現行の規定ぶりからはクラウドサービス等の利用の可否が必ずしも明確ではないことから、当該規定の見直しを行うことが定められたとしている。

 

これに基づき、「デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するための経済産業省関係省令の一部を改正する省令(令和5年経済産業省令第63号)」により、「フレキシブルディスク」、「シー・ディー・ロム」といった具体の媒体名を定める経済産業省所管の省令について、媒体名の削除又は「電磁的記録媒体」等の抽象的な規定への見直し等の所要の改正を行った。

 

具体的に改正した省令は以下の通り

 

– 鉱業法施行規則(昭和26年通商産業省令第2号)
– 採石法施行規則(昭和26年通商産業省令第6号)
– 武器等製造法施行規則(昭和28年通商産業省令第43号)
– 商工会議所法施行規則(昭和28年通商産業省令第52号)
– 航空機製造事業法施行規則(昭和29年通商産業省令第52号)
– 工業用水道事業法施行規則(昭和33年通商産業省令第108号)
– 商工会法施行規則(昭和35年通商産業省令第58号)
– 電気工事士法施行規則(昭和35年通商産業省令第97号)
– 中小企業投資育成株式会社業務処理規則(昭和38年通商産業省令第143号)
– 日本電気計器検定所法施行規則(昭和40年通商産業省令第3号)
– 発電水力流量測定規則(昭和40年通商産業省令第55号)
– ガス事業法施行規則(昭和45年通商産業省令第97号)
– 石油需給適正化法施行規則(昭和49年通商産業省令第1号)
– 石油の備蓄の確保等に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第26号)
– 揮発油等の品質の確保等に関する法律施行規則(昭和52年通商産業省令第24号)
– 日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の実施に伴う石油及び可燃性天然ガス資源の開発に関する特別措置法施行規則(昭和53年通商産業省令第29号)
– 特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律施行規則(昭和54年通商産業省令第77号)
– 深海底鉱業暫定措置法施行規則(昭和57年通商産業省令第34号)
– 航空機工業振興法施行規則(昭和61年通商産業省令第27号)
– 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律施行規則(平成2年通商産業省令第41号)
– 商品投資顧問業者の業務に関する省令(平成4年通商産業省令第22号)
– ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律施行規則(平成5年通商産業省令第23号)
– 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律施行規則(平成7年通商産業省令第40号)
– 電気事業法施行規則(平成7年通商産業省令第77号)
– 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則(平成9年通商産業省令第11号)
– 貿易関係貿易外取引等に関する省令(平成10年通商産業省令第8号)
対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律施行規則(平成11年通商産業省令第10号)
– アルコール事業法施行規則(平成12年通商産業省令第209号)
– 経済産業省の所管する法令に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報- 通信の技術の利用に関する法律施行規則(平成17年経済産業省令第32号)
– 有限責任事業組合契約に関する法律施行規則(平成17年経済産業省令第74号)
– 商店街振興組合法施行規則(平成19年経済産業省令第12号)
– 輸出入取引法施行規則(平成19年経済産業省令第27号)
– 株式会社海外需要開拓支援機構法施行規則(平成25年経済産業省令第42号)
– 経済産業省関係産業競争力強化法施行規則(平成26年経済産業省令第1号)

 

なお、デジタル社会の形成を図るための規制改革を推進するためのデジタル社会形成基本法等の一部を改正する法律(令和5年法律第63号)によって、採石法(昭和25年法律第291号)及び液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和42年法律第149号)が改正されたことに基づき、現行法上、標識によって行うこととされている掲示をウェブサイトにも掲載すべく、下位省令の改正を併せて行ったとしている。

 

以下関連資料
アナログ規制見直しの取組(デジタル庁HP)
関係省令一覧

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。