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2024年10月7日【SDGs】

日の丸とユーグレナ、次世代バイオ燃料利用の観光バス出発式

坂上 賢治

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出発式の様子:左から日の丸自動車興業社長の富田哲史氏、ユーグレナ執行役員エネルギーカンパニー長の新田直氏

 

日の丸自動車興業(日の丸)とユーグレナは10月7日、東京都の「バイオ燃料活用における事業化促進支援事業」を受けた次世代バイオディーゼル燃料を給油した「スカイバス」出発式を三菱ビル前スカイバス丸の内乗り場で実施した。

 

なお今回の取り組みでは、日の丸自動車興業が東京駅の東西で運行する(1)無料巡回バスの「丸の内シャトル」「メトロリンク日本橋」「メトロリンク日本橋 E ライン」、(2)都市観光の「スカイホップ」「スカイバス」が対象となる。

 

いずれもユーグレナが調達・提供する混合バイオ燃料「サステオ(軽油/HVO20%混合)」(HVO=生物資源/バイオマスを原料とするバイオ燃料。分子構造が石油由来の軽油と同じ炭化水素ゆえに軽油燃料車に利用できる)を使用することでCO2排出量削減と都内の脱炭素推進に取り組む。なお出発式では、当該車両の試乗も行われた。

 

出発式で、日の丸自動車興業社長の富田哲史氏は、「日の丸自動車興業は、2021年に政府が定めた温室効果ガス46%削減目標の達成に向けて、日本で初めて電気バスを導入するなど積極的に対応を進めてきました。

 

この度は、東京都からご支援いただき、ユーグレナと協力して次世代バイオ燃料を導入する本支援事業に於いて、助成期間1年半で約160t相当のCO2削減に寄与、日の丸自動車グループでSCOPE3の排出量約10%相当の削減効果が期待できます。

 

しかしながら、政府の温室効果ガス46%削減目標を達成するには、更なる取り組みが必要です。引き続き環境負荷低減に向けて社会共存型の交通インフラを目指していきます」と述べた。

 

一方、ユーグレナ執行役員でエネルギーカンパニー長を務める新田直氏は、「ユーグレナは、10年ほど前からバイオ燃料の研究開発を行い、陸・海・空のモビリティに次世代バイオ燃料『サステオ』を導入してきました。

 

世界では既にバイオ燃料の社会実装がされていますが、日本は遅れをとっています。私たちは一刻も早くバイオ燃料を使っていただく世の中にしなければならないという切迫感と使命感を持っており、同じ想いを持つ東京都、日の丸自動車興業、ユーグレナとで本取り組みができることに大変感謝しています。

 

しかしながら社会実装で遅れを取る我が国では、バイオ燃料に係る皆様からの更なる協力が必要です。この機会にバイオ燃料を社会に広めていければと思います」と語った。

 

<日の丸自動車興業株式会社>
1963年に貸切バス事業を運営するバス事業者として創業。団体旅行のマーケットが変化する中で、個人旅行へ拡充する上で、日本初2階建てオープントップバス「SKY BUS」が2004年に運行を開始し20周年を迎えた。

 

その後、乗り降り自由な「SKY HOP BUS」や水陸両用バス「SKY Duck」といった新たな観光バスの形を確立した。

 

また東京駅周辺の回遊性を高め、活性化を促す目的として無料巡回バス「丸の内シャトル」を2003年より運行スタート。日本橋地区と合わせ、現在は3ルートを運行。常に社会や街の課題と向き合い、共存しながら、バス事業者として持続的な取り組みを行っている。

 

<株式会社ユーグレナ>
2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養技術の確立に成功dq。

 

「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーと定義し、微細藻類ユーグレナ、クロレラなどを活用した食品、化粧品等の開発・販売、バイオ燃料の製造開発、遺伝子解析サービスの提供、未利用資源等を活用したサステナブルアグリテック領域などの事業を展開。

 

2014年より、バングラデシュの子どもたちに豊富な栄養素を持つユーグレナクッキーを届ける「ユーグレナGENKIプログラム」を、継続的に実施している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。