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2022年12月2日【テクノロジー】

デンソー、IEEEコーポレートイノベーション賞を獲得

坂上 賢治

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世界最大の電気・電子分野の国際学会であるIEEE( アイトリプルイー )は先の10月7日、デンソーが開発した〝QRコード〟が世界中の企業の製造・管理業務の改善に寄与したことや、電子決済などの多様なアプリケーションで利用されている事を評価し「IEEEマイルストーン」に認定した。( 坂上 賢治 )

 

 

更に12月2日には〝QRコード〟を生み出したデンソーそのものが、世界規模で電気・電子分野の技術領域に貢献したとして「IEEEコーポレートイノベーション賞」贈り、その功績を讃えた。このIEEEコーポレートイノベーション賞は、革新的な技術や製品づくりで世界に大きな影響を与えた企業や団体に対して贈られる世界でも権威ある賞のひとつだ。

 

IEEEコーポレートイノベーション賞は、アメリカ合衆国に本部を置く電気・電子分野の国際学会IEEE( The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. / 世界160カ国以上で40万人超の会員を擁する団体 )が1985年に創設して以降、IT企業や電機メーカーなど世界の名だたる企業や団体が受賞しており、日本企業としてはデンソーが6社目の受賞となっている。

 

 

そんなQRコードは、「読み取りやすく、大容量の情報が扱える」というコンセプトのもと、1994年にデンソーの応用機器技術部門( 現在のデンソーウェーブ )が開発されたもの。

 

バーコードの約200倍の情報を収納でき、高速で読み取ることができる画期的な2次元コードであり、当初は、主に社内の製造現場で在庫管理などから活用を開始した。

 

写真はデンソーウェーブの技術者で開発の指揮を執ったAUTO-ID事業部、技術2部・技術2室の室長 原氏

 

その後、デンソーはQRコードの利用を無償開放( 規格化・標準化した上でオープン化した。なおQRコード並びにQRコードリーダー自体は特許権で保護されており、仮に今後に於いて模倣品・粗悪品・意図しない派生品が現れた時は権利行使していく姿勢だ )。

 

いち早いオープン化戦略を敷き、世界への普及拡大に注力した結果、2000年代前半にはカメラ機能を搭載した携帯電話の普及と共に、QRコードは人々の生活の中にも広がり、近年では電子チケットやキャッシュレス決済など世界津々浦々、至るところで利用されている。

 

 

そうして迎えた2020年、これらの業績が評価されてQRコードは、誕生から28年を経て、社会や産業の発展に貢献をした歴史的な業績を評価する「IEEEマイルストーン」に認定された事になる。

 

ちなみにQRコードは、先の通りで開発から28年が経った現在でも、新たな機能を追加するなどで今も現在進行形で進化を重ねており、デンソーウェーブでは、ひとつのコードに「公開用」と「非公開用」の2種類のデータが格納できる「SQRC」 。

 

 

人の顔の特徴をQRコード化できる「顔認証SQRC」、自由なデザインを可能にした「フレームQR」 などを様々なタイプと機能を持つソリューションを開発しており、今日では本人確認や偽造・情報改ざん防止、電子チケット生成などの分野で貢献している。

 

 

2020年10月7日 QRコードがIEEEマイルストーンに認定
https://www.denso.com/jp/ja/news/newsroom/2020/201007-01/

 

2023 IEEE Award受賞者( 英語 )
https://corporate-awards.ieee.org/recipients/current-recipients/#recognition-awards

 

これまでのIEEEコーポレートイノベーション賞 受賞者 ( 英語 )
https://www.ieee.org/content/dam/ieee-org/ieee/web/org/about/awards/recipients/corp-inn-rl.pdf

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。