
デンソーは3月6日、社用車などを保有する企業や団体、また、集合住宅や商業施設に向けて、バッテリー式電気自動や(BEV/*1)やプラグインハイブリッド車(PHEV/*2)等の電動車向け充電制御システム「EVECOM (イブコム)」を、同日発売したことを発表した。
なお、販売は、同社の子会社で製品の国内販売を手掛けるデンソーソリューション を通じて行われる。
電動車の普及は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な一歩とされていることから、デンソーでもこの分野に力を入れて取り組んでいるが、電動車の開発は確実に進展している一方、日本では充電インフラ整備の遅れが、普及に向けた大きな課題になっていると云う。
そこで今回、EV充電器に接続するコントローラーやクラウドサーバーから構成される次世代EV充電制御システムの「EVECOM」を販売。同製品では、EV充電器をIoT化してクラウドサーバーやスマートフォンと通信することで、ユーザー認証や電力計量など、多彩な機能が使えるようになるため、電動車の充電環境整備に伴い増大する電力量やインフラコストといった課題を解決できると云う。
なお、製品の名称である「EVECOM」は、「EV」「Energy(エネルギー)」「Community(コミュニティ)」を組み合わせた造語で、カーライフに於ける新たな価値創出を目指して名付けられている。
[主な機能]
(1)充電エネマネ(*3)
デンソーが得意とするエネルギーマネジメントを活用。建屋全体の電力を監視し、充電時間を分散させることで、電力基本料金の上昇を抑制。
(2)充電サービス
スマートフォンによる、ユーザー認証機能を搭載し、ユーザーの使用電力量を計測して適正な料金計算をサポート。
(3)その他
API(Application Programming Interface/*4)による、車両運行、車両予約システム等との連携や、コンセントや普通充電器、V2H-充放電器(Vehicle to Home/*5)など、多様な充電器への対応も可能。
デンソーは、「EVECOM」の導入を通じて、企業や施設、集合住宅等での充電インフラの整備を促進し、より多くの人々が電動車を安心かつ快適に利用できる環境を提供。また、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、さらなる技術革新とサービスの向上を図っていくとしている。
*1:ガソリンを使わず電気のみを使って走る電気自動車。
*2:近距離移動ではBEVと同様にガソリンを使わず、電気のみで走行可能。
*3:エネルギーマネジメントのこと。
*4:ソフトウェアやアプリケーション間で情報をやり取りするための規約や仕様。
*5:BEV・PHEVなど電動車の大容量バッテリーを家の電源として活用するシステム。