デンソーは、同社開発のUAV(通称:ドローン/*1)を活用した橋梁点検サービス事業を10月から開始する。
デンソーは2016年に、可変ピッチプロペラを搭載した産業用UAVを開発。可変ピッチプロペラは、羽根の角度を変化させることで、強風でも飛行できる耐風性と、橋梁に近接し定位の姿勢を維持できる安定性を特長としている。
また2017年以降、UAVを用いた橋梁の撮影、AI(*2)を活用した撮影画像の解析の実証を重ね、機体性能と画像解析技術の向上に取り組んできた。
橋梁点検を担う建設土木業界では、インフラの老朽化や、少子高齢化の進展による労働力不足が課題とされてきたが、今年3月、国土交通省の定める「橋梁定期点検要領」が改定され、近接目視点検をロボット技術で補完・代替できる環境が整備された。
これを受けてデンソーは、これまで近接で目視点検が行われていた橋梁点検の一部をUAVでの撮影に代替し、撮影画像の解析、調書作成までを一貫して支援する橋梁点検サービスを開始。
サービスではデンソー独自の損傷AI解析システムも活用し、UAVで撮影した膨大な量の写真の中から橋梁の損傷箇所を自動で検出、橋梁の図面上に損傷図を作成することで、損傷個所の把握が正確にできると云う。
デンソーは、このサービスを通じ、目視点検の際にロープなどの昇降器具を用いて点検士が橋梁へアクセスする危険な作業の低減や、橋梁点検車による道路交通規制に伴う渋滞の軽減に貢献していくとしている。
*1)UAV:無人航空機 (Unmanned Aerial Vehicleの略)。
*2)AI:人工知能 (Artificial Intelligenceの略)。
[デンソーUAV機体諸元]
– 体格(㎜):1500×1500×525
– ペイロード(有効搭載量):2.0kg
– 飛行時間:15分