デンソーは、自動車のソフトウェアを遠隔地から無線で更新するOTA(Over the Air)システムの開発を加速させるため、コネクティッドカー関連のソフトウェア開発で実績を持つ米国のAirbiquity社に、トヨタ自動車、豊田通商と共同で出資を行った。デンソーの出資額は500万USドル。
近年、自動運転や電動化など自動車の高性能化に伴い、車両に搭載されているソフトウェアは大規模化、複雑化が進んでいる。
従来、これらのソフトウェアの更新や書き換えを行うためには、カーディーラーなどで、直接、更新作業をする必要があったが、今後、車両とさまざまなモノがつながるコネクティッドカーでは、OTAシステムを用いることで、遠隔地から無線でソフトウェアを更新、書き換えが可能になると云う。
現在、OTAシステムはカーナビゲーションなど、マルチメディア分野でのソフトウェア更新で実用化が進んでおり、今後は、さらに自動運転技術など自動車の制御における機能拡張・更新や、外部のサービスとの連携などにも活用が見込まれている。
また自動車の開発、製造段階におけるソフトウェア更新への活用などでも、自動車のライフサイクル全体で、OTAシステムの重要性が高まっている。
Airbiquity社は、車載マルチメディアなどのソフトウェア開発で多くのカーメーカーへの採用実績があり、またOTAシステムの開発だけでなく、セキュリティへの対応などでも強みを持っていると云う。
今後デンソーは、Airbiquity社の持つ技術力や開発リソーセスを活用し、トヨタ自動車、豊田通商と共同で、安全かつ信頼性の高いOTAシステムの開発を加速するとしている。
[Airbiquity社の概要]
– 社名:Airbiquity Inc.(エアビクイティ インコーポレイテッド)
– 設立年月:1997年
– 所在地:米国ワシントン州シアトル
– 社長兼CEO:Kamyar Moinzadeh (カムヤール・モインザデ)
– 事業内容:OTAリプロシステムの開発、サービスの提供
■Airbiquity(日本語):https://www.airbiquity.com/jp