デンソーは、東京のBeyond Next Venturesと、デンソーが開発した情報プラットフォーム「OPeLiNK(オペリンク/*1)」の技術を活用して事業展開する新会社「OPExPARK(オペパーク)」を設立した。
Beyond Next Venturesは、医療・ヘルスケア分野を中心とした技術系スタートアップへのインキュベーション投資を行うベンチャーキャピタルで、事業化アクセラレーションプログラムの「BRAVE」を展開。
このプログラムでは、大学等の技術シーズに対し、初期段階の事業戦略・事業計画の作成支援に加え、経営チームの補強、資金とネットワークの獲得機会を提供。新会社のオペパークは、同プログラムを活用した初の企業からのカーブアウトベンチャー(*2)となる。
デンソーは、日本医療研究開発機構(AMED)の支援の下、東京女子医科大学の村垣善浩教授を中心に5大学11企業と連携し、情報プラットフォーム「オペリンク」を開発。
オペリンクは、手術室で利用される各機器から抽出されたデータを一元管理することで、従来執刀医の頭の中で組み立てられていた判断につながる情報の可視化・共有ができるプラットフォームで、これまで、広島大学病院、信州大学医学部付属病院、東京女子医科大学病院に導入し、臨床研究を行ってきた。
新会社は10月から事業を開始し、オペリンクを活用した手術機器情報統合システムの開発・販売と、同システムから抽出したデータを基に、いつでも・どこでも最先端の手術が学べる教育コンテンツを制作・配信するサービスに取り組んでいく。
*1)情報プラットフォーム「オペリンク」:従来スタンドアロンで運用されていた手術室内の各機器の出力データを、デバイス非依存で常に同じフォーマットのデータとして提供可能とする情報プラットフォーム。そこで蓄積されたあらゆる機器・生体情報を抽出・加工・配信することで執刀医の判断につながる情報を可視化。従来、手術室の中でしか学ぶことのできなかった高度な暗黙知を共有することができる。
*2)カーブアウトベンチャー:事業の一部を切り出し、外部パートナーからの投資や人材などの経営資源を活用することで、成長の加速を目指すベンチャー企業。
[新会社の概要]
– 社名:株式会社OPExPARK(オペパーク)
– 事業開始:2019年10月
– 所在地:東京都新宿区河田町8-1 東京女子医科大学 TWIns内
– 資本金:2億5950万円
– 社長:本田 泰教(医師・コンサルタント)
– 従業員数:7人
– 事業内容:
手術機器統合システムの開発・販売、医師向け教育コンテンツの制作・配信
[Beyond Next Venturesの概要]
– 社名:Beyond Next Ventures株式会社
– 所在地:東京都中央区日本橋本町1-4-3 日本橋ムロホンビル1
– 社長:伊藤 毅
– 事業内容:
ベンチャーキャピタル業務(主に医療・ヘルスケア分野を中心とした、技術系スタートアップへのインキュベーション投資)
– 運用総額:100億円超