タクシー配車システムの電脳交通は11月22日、地方都市の公共交通の充実を目指し、来たる12月1日より鉄道事業者向けに列車内で降車後のタクシーを事前に手配できるサービス「タクジット」の提供を開始する。
なお上記サービスの提供にあたり電脳交通は、四国旅客鉄道と連携。去る6月24日から当該サービスの実証実験を行っている。その結果、二次交通接続が不十分な駅に於いて多くの利用実績を積み重ねることができ、スムーズな乗継による公共交通全般の利便性の向上に貢献できることが確認された。
特に、ビジネス客や観光客からは「事前にタクシーを確保できる安心感がある」との声が多数寄せられ、サービスの必要性を改めて実感したという。
このサービスにより、地方都市に於ける鉄道などの一次交通からタクシーへのスムーズな乗り継ぎが可能になることを受けて、今後は、飛行機や船など他の一次交通との接続や多言語対応も検討しており、地域交通全体の課題解決に貢献していく構えという。
ちなみに電脳交通が、この新たなサービスを始動させる背景には、国土交通省が地方都市や過疎地域には公共交通機関が十分に整備されていない「交通空白地帯」が多数存在するとしていること。加えて主要な交通結節点(主要駅や空港など)で、来訪者がタクシーなどの交通手段を容易に利用できる環境を整備することの重要性が示されてる点がある。
実際に地方都市では、ビジネス客、旅行客にとって移動手段の選択肢が限られ、特に公共交通機関が少ない地域では、駅から最終目的地までのアクセスが大きな課題となっている。
こうした地域では、タクシー乗り場に車両が1台もない状況が恒常化しつつあり、駅到着後すぐに移動できる手段が確保されていないことが多く、訪問者にとってスムーズな移動が難しい。 加えて地方ではドライバー不足が深刻化しており、タクシーの確保が一層難しくなっている。
更に地方都市では配車アプリの普及が遅れており、駅でのタクシー待ち時間が長引くこともある。このような課題に対応するため、電脳交通は列車内からタクシーを事前に手配できるサービス「タクジット」を開発した。
「タクジット」は、鉄道などの一次交通からタクシー(二次交通)へのスムーズな乗り継ぎを実現するWebフォームサービス。二次元コードを読み込むことでタクシー手配フォームが表示され、必要な情報を入力するだけで、電脳交通の配車システム「DS」を通じてタクシーを手配できる。なお電脳交通では、先の通り同サービスを12月1日より鉄道事業者をはじめ一次交通事業者向けに提供を開始していく構えだ。
株式会社電脳交通の概要
所在地:徳島県徳島市寺島本町西1丁目5番 アミコ東館6階
設 立:2015年12月
代表者:近藤 洋祐
従業員:182名(2024年9月末時点)
資本金:1億円(2023年11月末時点)
主要株主:三菱商事、JPインベストメント、ENEOSイノベーションパートナーズ合同会社、JR東日本スタートアップ、JR西日本イノベーションズ、四国旅客鉄道、GO株式会社、第一交通産業グループ、エムケイ、沖東交通、三和交通、NTTドコモ・ベンチャーズ、阿波銀行、徳島大正銀行、いよぎんキャピタル、ブロードバンドタワー(敬称略、順不同)