伊藤忠商事は、ユーグレナと共に飼料用及びバイオ燃料用ミドリムシの海外培養実証事業について、インドネシア共和国に加えてコロンビア共和国で行うことを決定し、パートナー企業と協力協定を締結した。
これにより、当該実証事業の実施体制が整備され、プロジェクトが本格始動した。
伊藤忠は今年6月、ユーグレナと微細藻類ユーグレナ海外培養実証事業開始に向けた覚書を締結。
その後、生産コストや培養環境、用地確保の観点から、既報のインドネシア共和国に加えコロンビア共和国を本実証事業の候補国に選定し、ミドリムシを現地で培養するための実施体制をユーグレナと構築してきた。
今回協力協定を締結したコロンビアのDrummond Colombia社(以下、DMMD)は、伊藤忠が2011年に出資した石炭サプライヤーで、同企業が所有する火力発電所の近隣にミドリムシの培養試験の実施場所を確保。実証事業では、同発電所より排出される二酸化炭素や熱を利用する。
一方、ユーグレナは、コロンビアセサール県の大学、Universidad Popular del Cesarと提携し、日本企業だけでは困難な現地当局からの実証事業に関する研究許可を取得。今後、同大学を通じて、日本産ミドリムシの輸出入、現地ミドリムシの採取や、ミドリムシの屋外培養試験などの研究活動を行っていく。
なおユーグレナは、今年8月から同国へ研究員を派遣し、試験設備の準備も完了。11月上旬から現地培養試験を開始している。
一方で、インドネシアでも同様に現地パートナー企業、大学を選定、研究員を派遣しており、コロンビアと同時期に培養試験を開始している。
両社は今後、半年から1年間にわたる両国での試験結果をもとに実施国を絞り込み、その後徐々に実証試験の規模を拡大するとしている。
■(伊藤忠商事)株式会社ユーグレナとの微細藻類ユーグレナ海外培養実証事業開始に向けた覚書の締結について(2019年6月19日):https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2019/190619.html