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2024年11月25日【MaaS】

自動運転トラックと貨物鉄道のモーダルコンビネーション実証

坂上 賢治

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イメージ図:スワップボディトラックと貨物列車の両方に積載可能な、31フィートタイプの共用コンテナ

 

NIPPON EXPRESSホールディングス傘下の日本通運、全国通運、日本FL(日本フレートライナー)、JR貨物(日本貨物鉄道)、 T2の5社は、CO₂排出量削減&物流業界の労働力不足対策として、レベル4(特定環境下で自動運行装置が全運転操作を代替する状態)自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせて輸送する「自動運転トラック×貨物鉄道」モーダルコンビネーション(トラック輸送と鉄道輸送の相互連携を精緻にする試み)輸送を目指し、実証実験の検討を開始した。

 

今回は、日本の貨物鉄道輸送を担う4社(日本通運、全通、日本FL、JR貨物)に、自動運転トラック技術を有するT2が融合し「自動運転トラック×貨物鉄道」のモーダルコンビネーションを実現。

 

これにより自動運転区間で輸送ルートの複線化を構築。輸送力の増加や貨物鉄道不通時へのBCP対応が可能となるなど貨物積み替え作業を効率化。貨物鉄道輸送の可能性を拡大させていく試みとなる。

※イメージ図は一例、組み合わせには多様なバリエーションがある

 

具体的には実証実験に向けスワップボディトラック(特殊な荷役機器なしに車体と荷台を自力で分離できるトラック)と、貨物列車の両方に積載可能な31フィートタイプの共用コンテナ(イメージ図)をT2とJR貨物で共同開発。2025年3月末に完成予定となっている。

 

この共用コンテナは、貨物列車からスワップボディトラックに直接載せることができ、貨物の積み替え等に要する作業時間を短縮することが可能になる。

 

実証期間は2025年5月から2025年6月とし、関東~関西間はT2のレベル2(ドライバーの監視のもとに行われる高機能自動運転)自動運転トラックで。関西~九州間はJR貨物の貨物列車を組み合わせ、日本通運、全通、日本FLの貨物を輸送する想定(対象区間に関しては変更の可能性あり)となっている。

 

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1.背景および目的は以下の通り

 

気候変動を含む地球環境課題、物流業界の「2024年問題」に対して、CO₂排出量の削減、ドライバーの労働環境改善・ドライバー不足への対策は持続可能な社会を築いていく上で、必要不可欠な活動です。

本活動に参画する5社はトラック輸送と鉄道輸送を紡ぎ、お客様の想いを繋ぎ、世界最高水準の日本の物流水準を継ぐことを目指します。2027年運用開始を目標にレベル4自動運転トラックを活用した「自動運転トラック×貨物鉄道」のモーダルコンビネーションの実現を目指します。今回のモーダルコンビネーションのために開発する共用コンテナの有用性の検証のためにも実際の貨物を想定したトータル輸送での実証実験を行います。

幹線輸送は、日本の経済や国民の生活を支える大動脈であり、持続可能な物流を実現するために本活動を推進する5社が一堂に会し、今回の実証実験は力強く実施されます。

 

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2.実証概要は以下の通り

 

  • 期間:2025年5月~2025年6月
  • 対象区間:
     - 関東~九州の発着地(オペレーション全体としての対象)
     - 関東~関西:自動運転トラック
     - 関西~九州:貨物列車
  • 参加企業と役割:
     - 日本通運株式会社:集貨・配達
     - 全国通運株式会社:同上
     - 日本フレートライナー株式会社:同上
     - 日本貨物鉄道株式会社:貨物鉄道区間での輸送および検証
     - 株式会社T2: 高速道・専用道での運送区間における自動運転輸送および検証
  • 実証内容:
    – 関西の貨物駅でのスワップボディトラックから貨物列車へ共用コンテナの積替えの検証
    – 関東~九州間トータルのオペレーション検証
    – 輸送リードタイムの短縮検証
    ※実証実験時の自動運転トラック運行はドライバー乗車のもと行う。

 

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各社概要

 

日本通運株式会社
企業サイト URL :https://www.nittsu.co.jp/

 

全国通運株式会社
企業サイト URL :https://www.zentsu.co.jp/

 

日本フレートライナー株式会社
企業サイト URL :https://www.f-l.co.jp/

 

日本貨物鉄道株式会社
企業サイト URL :https://www.jrfreight.co.jp/

 

株式会社 T2
企業サイト URL : https://t2.auto/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。