東急は10月6日、静岡県が実施する東伊豆・中伊豆地域公共交通・観光情報の提供における実証事業」の2021年度事業受託者に決定したと発表した。
この事業は、「新しい生活様式」下における交通・観光情報の提供のあり方を検証・共有するため、DXに資する新たな技術の導入により、伊豆地域を訪れる観光客のニーズに適合した情報提供を行うことで利用者の利便性を高めるとともに、利用者の行動傾向データを収集し、利用者ニーズや行動の傾向などの分析を行うもの。なお、実施期間は2021年10月7日から2022年2月28日。
今回、静岡県が、東急の提供するリモートコンシェルジュサービスを用いて、伊豆地域(熱海、三島、伊豆高原)を訪れる観光客への情報提供を遠隔接客とAIチャットボットを組み合わせて実施することで、最適な観光案内の実現を目指す。
リモートコンシェルジュサービスは、東急とHuber.(以下「Huber」)、Nextremerの3社で開発したものでHuberが提供する、観光客の潜在的な旅行ニーズを端末上でヒアリングし、回答結果をもとに観光客のニーズに合わせたプラン提案をする「たび診断」と、Nextremerの提供する、「AI案内サイネージ」を組み合わせたサービス。
よくある質問をAIチャットボットにて回答し、利用者のニーズや嗜好性に合わせた相談、観光提案は観光案内所のスタッフが「たび診断」の結果をもとに遠隔接客を行うことで効率的に案内することができる。
また、観光案内所の営業時間外や実際に観光案内所を訪れなくても道案内や観光案内など来訪者の困りごとを非接触、非対面で解決することでコロナ禍においても、安全・安心な新たな観光案内を実現するものだとしている。
リモートコンシェルジュサービスは、2021年3月25日より東横線・田園都市線渋谷駅および渋谷駅観光案内所「WANDER COMPASS SHIBUYA」にて導入し、月間利用者数は1,000名を超えている。今回、この取り組み内容が、静岡県における交通・観光情報の提供におけるDX推進に向けて評価され、今回の受託にいたった。
この事業では、熱海、三島、伊豆高原の駅構内または駅周辺施設に本サービスを導入したサイネージ端末を設置。交通拠点である駅を利用する観光客に対し最適な交通情報、観光情報案内を提供することで、公共交通の利便性向上と東伊豆、中伊豆地域への回遊促進を目指す。また、問合せ業務の効率化や伊豆地域への来訪客の嗜好性やニーズ、行動の傾向などのデータ分析をすることで、今後の静岡県の公共交通活性化や観光施策に生かすとしている。
■事業について
1.実証実験の期間
2021年10月7日~2022年2月28日
2.サイネージ端末設置場所
①熱海:熱海観光案内所(ラスカ熱海内)
②三島:伊豆箱根鉄道 三島駅 駅窓口
③伊豆高原:伊豆高原駅 券売入口
3.サービスの提供機能
①「遠隔接客」
リモートコンシェルジュ端末と観光案内所を繋ぎ、テレビ電話にてスタッフが利用者の質問、困りごとに回答する。
②「AI案内サイネージ」
観光案内および施設案内業務に最適化された音声対話型AIチャットボットにより視覚的に案内する。駅構内においては乗換案内や駅周辺案内、飲食店店舗検索も可能。
③「たび診断」
旅や嗜好性に関する複数の質問に回答することで、利用者の潜在的なニーズや特性を把握できるだけでなく、「たび診断」の回答結果を元におすすめの観光プランを提案する。