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2021年6月7日【テクノロジー】

愛知県、3地域で自動運転の実証実験を実施

NEXT MOBILITY編集部

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愛知県は6月7日、2021年度自動運転実証実験の実施について発表した。

 

愛知県では、2016年度から自動運転の実証実験を積み重ね、遠隔監視等の自動走行の技術に加え、商用5G、AR(拡張現実)等を掛け合わせ、自動運転によるビジネスモデルの構築を進めてきた。2021年度は、これまでの取組を更に推し進め、交通事業者等が実運行において再現可能かつ持続可能なビジネスモデルの構築を目指し、3地域で実証実験を行う。

 

中部国際空港島では、公道と空港制限エリアにおいて一元的な遠隔監視の下で2台の自動運転バスを同時運行させるほか、モリコロパーク(愛・地球博記念公園)では、リニモの駅から園内目的地までを自動運転車でつなぐことでシームレスな移動の実現を目指す。さらには、名古屋市内では、都心の幹線道路を含むルートにおいて約3か月の自動運転車両の運行を行い、都心での自動運転技術を用いたモビリティサービスの実現を目指す。

 

 

1.実施予定地域等
中部国際空港島内(常滑市)
– モデル類型:ショーケース
– 道路種別:公道と閉鎖空間
– 実施ルート(予定):
・第1旅客ターミナルビル~貨物地区(公道)
・第1旅客ターミナル~第2旅客ターミナル(空港制限エリア)
– 実証テーマ:公道と空港制限エリアの同時運行・管理
– 特徴:
・貨物地区と空港制限エリアの2ルートを1か所の遠隔席から一元管理
・早朝・深夜の運行
・遠隔監視において、AIを活用した映像解析を利用
・路側センサー、信号協調による路車間協調
・磁気マーカの活用

 

モリコロパーク(長久手市)
– モデル類型:集客施設
– 道路種別:公道と閉鎖空間
– 実施ルート(予定):
・リニモ公園西駅~公園西口駐車場(公道)
・西エントランス広場~地球市民交流センター方面(公園内)
– 実証テーマ:リニモ駅から園内目的地へのシームレスな移動
– 特徴:
・リニモ公園西駅から園内の目的地へ複数台自動運転車を利用したスムーズな送客
・運行管制システムにより、利用需要に応じて、複数の走行ルート、運行ダイヤ、配車台数を自動設定し運行
・県交通対策課のMaaS実証実験との連携

 

鶴舞周辺(名古屋市)
– モデル類型:都心
– 道路種別:公道
– 実施ルート(予定):・名古屋工業大学、JR鶴舞駅、イオンタウン千種の周辺(公道)
– 実証テーマ:都心における自動運転を利用した移動
– 特徴:
・幹線道路を含むルートでの運行
・長期間(約3か月)の運行による一般車両との混在交通での自動走行に係る知見蓄積
・将来的に、名古屋駅と鶴舞を自動運転車で結ぶモビリティサービスへつなげる

 

 

2.事業実施体制
(1)実証実験
ショーケース
株式会社NTTドコモに事業委託
同社を幹事会社とする企業グループで事業実施【6社】

 

NTTドコモ:事業統括、通信環境構築、5Gを活用したソリューションの提供、車両調達
先進モビリティ:自動運転バス車両の提供、走行調律作業の実施
名鉄バス:自動運転バスの運行計画の策定・運行
日本信号:路車間協調システムの提供
愛知製鋼:磁気マーカの提供
シーキューブ:磁気マーカの敷設工事の実施

 

集客施設
株式会社NTTドコモに事業委託
同社を幹事会社とする企業グループで事業実施【6社】

 

NTTドコモ:事業統括、通信環境構築、5Gを活用したソリューションの提供、車両調達等
アイサンテクノロジー:車両の提供、3Dマップの作成
ティアフォー:自動運転OS(Autoware)の運用支援
岡谷鋼機:社会実装に向けたアドバイス
損保ジャパン:リスクアセスメント
三菱電機:運行管制システムの提供

 

都心
WILLER株式会社に事業委託
同社を幹事会社とする企業グループで事業実施【6社、1大学】

 

WILLER:事業統括、将来的なサービスモデルの検討、車両提供等
WILLER EXPRESS:自動運転バスの運行計画の策定・運行
名鉄バス:自動運転バスの運行計画の策定・運行
ST Engineering:自動運転システムの技術面でのサポート
BOLDLY:3Dマップの作成、車両設定、自動運転オペレータートレーニング
イオンタウン:将来的なサービスモデルの検討
名古屋工業大学:ニューノーマルにおける移動を通したコミュニティ形成に関する共同研究

 

(2)ビジネスモデル調査
PwCコンサルティング合同会社に事業委託

実証実験を行う各ルートにおいて、ビジネスモデル調査として、(1)安全性・リスクの分析、(2)事業性の分析、(3)社会的受容性の分析、(4)法的課題の分析、(5)実装に向けたロードマップの作成を行う。

 

 

3.実証車両
中部国際空港島
– 小型バス車両「ポンチョ」(2台)
・日野自動車「ポンチョ」をベースとした自動運転車両
・磁気マーカシステムを活用した自動運転システムを搭載

 

モリコロパーク
– タクシー型車両「ジャパンタクシー」(1台)
・トヨタ自動車「ジャパンタクシー」をベースとした自動運転車両
・自動運転OS Autowareにより走行
– カート(3台)
・運行管制システムを検証するため、カート3台を活用
・自動運転OS Autowareにより走行

 

鶴舞周辺
– アルマ(1台)
・仏ナビヤ社製の自動運転用電気自動車
・ハンドル、アクセル・ブレーキペダルなし(手動運転モードでは、ゲーム機のコントローラーを使用)
・衛星測位システムで自己位置把握、センサーで障害物を検知

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。