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2021年3月2日【テクノロジー】

デロイトトーマツ、最新5技術のガバナンスギャップを提示

NEXT MOBILITY編集部

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デロイト トーマツ グループは3月2日、デロイトが世界経済フォーラムと協働で制作したレポート「グローバルテクノロジーガバナンスレポート2021」のデロイト要約版の日本語訳を発行した。

第四次産業革命(4IR)のさまざまな新興技術は、社会の飛躍的な進歩と大規模な経済的価値をもたらすと同時に、意図しない有害な結果を生み出す可能性を秘めている。ポストコロナ時代のより公正な社会システムの構築に向けて、官民セクターは4IRテクノロジーの潜在能力を十分に発揮するために対処すべきガバナンスの課題に率先して目を向けることが求められている。

 

このレポートでは、代表的な4IRテクノロジーである人工知能(AI)、モビリティ(自動運転車を含む)、ドローン、ブロックチェーン、IoT(Internet of Things)のガバナンスの課題に着目し、これらの5つのテクノロジーに共通した8つのガバナンスギャップを提示。その上で、こうしたギャップの緩和・解消に向けて積極的に活用すべきテクノロジーガバナンスの方向性を、6つの革新的なガバナンスの枠組みとして提示している。

 

– 6つの革新的なガバナンスの枠組み

・倫理的なガバナンス
ニュージーランド政府による、「Privacy,Human Rights, and Ethics(PHRaE)」(プライバシー・人権・倫理)の枠組み

・官民連携
日本暗号資産取引業協会(JVCEA)による、仮想通貨の自主規制

・アジャイルで即応性のある規制
米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)による、自動運転技術の発展に伴うガイダンスの見直し

・実験的な取り組み:サンドボックスとアクセラレーター
世界銀行による、貧困削減のためのブロックチェーン・イノベーション・ラボ

・データ共有と相互運用性
米国電気通信産業ソリューション連合(ATIS)による、IoT向けのデータ共有の枠組み

・規制に関する連携
国連欧州経済委員会(UNECE)による、自動運転車の規制を連携させるための枠組みを策定するフォーラムの開催

 

– デロイト トーマツ グループG&PSインダストリーリーダー 香野剛のコメント
「2021年4月6、7日に、世界経済フォーラム主催による「第1回 グローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミット(Global Technology Governance Summit: GTGS)」が東京で開催されます。こうした動きに象徴されるように、テクノロジーガバナンスは、今や世界各国や地方行政が、将来に向けた復興やさらなる成長を実現するために不可欠な要素になっています。政府・公共サービスセクターには、自らの変革だけでなく、インパクトあるイノベーションを生み出していくための中心的な役割が求められていますが、日本の現状に鑑みると、課題の1つに決定的なデジタル人財不足が挙げられます。加えて、政府・公共サービスセクターが4IRテクノロジーの活用を単発で終わらせず、持続可能な取り組みとして世の中に浸透させていくためには、住民や利用者からの「信頼」を獲得することが非常に重要であり、そのためのガバナンスの高度化への期待は高まっています。」

 

– デロイト トーマツ グループ パートナー 森 正弥のコメント
「4IRテクノロジー活用のポテンシャルは非常に大きい一方、同時にその進化が速く、用いるデータに機微な情報も多い等から課題も複雑化する傾向にあります。レポート内でまとめられている、6つの革新的なガバナンスの枠組み等も用い、4IRテクノロジーのもたらす価値を最大化してイノベーションを促進することが今後重要になるでしょう。規制や標準化の動向を踏まえ、非倫理的な利用のリスクを軽減するため、官民の連携強化は必要不可欠です。ただし、単に厳格な管理をするだけのガバナンスでは、技術活用に必要以上のダメ出しを行い、かえって革新の機運を萎縮させてしまいかねません。守りのガバナンスではない、産業や官民をまたがる幅広い視点を持ち、4IRテクノロジー適用を推進できる「攻めのガバナンス体制」を築いていくことが、変革の成否を握っています」

 

 

■「グローバルテクノロジーガバナンスレポート2021」
https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/public-sector/gv/jp-gv-technology-governance-4ir-technologies.pdf

 

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。