ダイハツ工業は3月13日、郊外エリアのニュータウンを支えるモビリティサービスの社会実装を目指した自動運転の実証走行を、神戸市北区の住宅地で6日より開始したと発表した(24日まで)。実証走行では、日本総合研究所とあいおいニッセイ同和損害保険(以下、あいおいニッセイ同和損保)がリスク分析の試行を実施する。
なお、以上は兵庫県神戸市が2018年から進めている「地域に活力を与える地域交通IoTモデル構築事業」の一環として、また事業は内閣府の未来技術社会実装事業に採択されている。
実証走行が行われている神戸市北区の筑紫が丘を中心としたニュータウンは、1969年に造成が始まり、居住開始から50年以上が経過した住宅地。住民の高齢化が進む一方で、地域交通を担う人手不足や利用者減に伴う公共交通機関の縮小により、日々の買い物や通院等の移動が困難になっており、手軽に使える近距離移動手段の確保が喫緊の課題となっていると云う。
ダイハツと日本総研、あいおいニッセイ同和損保の3社は、このような社会課題の解決を目指し、日本総研主催のコンソーシアムやラボ( まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム 、まちなかサービス事業性検証コンソーシアム 、RAPOCラボ )の活動として、同地区で2018年度から乗合送迎サービスや地域活性化施策に加え、人手不足の解消につながる自動運転などの実証実験を実施してきた。
[実証走行について]
今年度、ダイハツでは、軽自動車をベースとした自動運転車両を用い、利用者の乗車を想定した自動走行技術や安全性等の確認を一般道で実施。前例が少ない、丘陵住宅地特有の坂が多く道幅が狭い道路環境下での実証走行を通じて、技術やノウハウの蓄積を図る。
また、地域コミュニティ向けのモビリティサービスの在り方について検討してきた日本総研の知見を活かし、地域コミュニティという小規模の利用者数でも成り立つ安価な車両予約の仕組みを活用したオンデマンド配車を試行。同時に、同地区で活動するNPO法人のスタッフに試乗・体験してもらうことで、地域に密着したサービス性についても検証し、技術およびサービス両面での実証を進め、安全で自由な移動の実現に向けた社会実装を目指す。
さらに、日本総研とあいおいニッセイ同和損保は、RAPOCラボでの活動を踏まえ、「自動運転サービス実装プロセス」の内の「リスク分析」を試行。日本総研は自動走行ルート上で起こりうる事故リスクの可視化を行い、あいおいニッセイ同和損保は走行ルートのリスク評価ツール( あいおいニッセイ同和損保が、これまでに蓄積した自動運転車の走行データを基に開発したもの )による走行経路のリスク評価およびダイハツの自動運転車両を用いた場合のリスク評価の妥当性も検証していく。
<実施内容>
– 実施場所:兵庫県神戸市北区筑紫が丘
– 期間・時間:
2023年3月6日(月)~24日(金)(火土日・20日を除く)
10:00~16:00(天候等により実施しない場合あり)
– 車両:ダイハツ タント
– 走行ルート: