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2019年6月26日【テクノロジー】

クーガー、人型AIアシスタントを開発し調布駅周辺で実証実験

NEXT MOBILITY編集部

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クーガーは、電通国際情報サービス(以下、ISID)と共同で、クーガーの開発する人型AIアシスタント「バーチャルヒューマンエージェント(VHA)」の実証実験を、京王線調布駅すぐのトリエ京王調布で6月29日(土)と30日(日)に行う。

クーガー・ロゴ

この実証実験では、屋外に設置したデジタルサイネージに等身大で映し出された人型AIアシスタントが、通行人に対して、言語だけでなく感情表現やハンドジェスチャーといった人が無意識に行っている非言語コミュニケーションも交えた対話をすることで、人々の行動にどのような影響を与えるかを検証する。

 

さらに、トリエ京王調布を運営する京王電鉄の協力のもと、同AIアシスタントが調布の魅力や周辺情報を伝え、地元愛の向上や活性化に寄与できるかも検証する予定。

 

クーガーはこの取り組みを通じ、VHAのユースケースとして、双方向にコミュニケーションができるデジタルサイネージ(電子看板)の可能性を検証し、今後VHAが、広告、エンターテイメント、観光等様々な領域での成果に期待を寄せていると云う。

 

 

 

 

人型AIアシスタントで顧客体験を再定義

 

 

現在、店舗や企業による顧客への情報提供の手段には、テレビや雑誌などの一方通行の発信と、インターネット上でのユーザー行動に基づいたおすすめ情報や広告などの発信がある。

 

クーガーは、これら情報提供の課題として、両者の”対話”が圧倒的に少なく、それぞれ異なったニーズを抱える顧客に対して、状況に応じた情報提供を行うことが極めて難しい点を挙げている。

 

例えば、人間同士の対話では、相手の状態をリアルタイムで把握した上で「楽しそうだね」と微笑んだり、心配そうな表情で「体調大丈夫?」と問いかけたり、状況に応じて反応する。つまり、相手の顔や体の動きから感情などの情報を得てコミュニケーションを行うことで、共感を生み、深い意思疎通を行っているということだ。

 

VHAは、これら人間の対話に近付ける重要な部分となる感情や表情、ジェスチャーなどの非言語部分と、音声などの言語部分の組み合わせを、リアルタイム映像認識技術と自然言語処理などを活用し、実現。人間のような安心感や親しみを表現し、顧客に寄り添ったコミュニケーションを提供すると云う。

 

アメリカでは、すでに人型のインターフェースを通じた研究がいくつか進んでおり、声のみのインターフェースに比べ、顔や体を表示した人型インターフェースの方が人間の反応する速度も内容も向上したという研究結果(※1)もある。

 

クーガーはVHAを通じて、人間のコミュニケーションの原点に立ち返り、人間本来のコミュニケーションをベースにした顧客体験の再発明を目指していきたいとしている。

 

 

[実証実験の概要とポイント]

 

<実施概要>

 

– 日時:2019年6月29日(土)、30日(日)10時~18時
– 場所:トリエ京王調布 C館前(東京都調布市小島町2-61-1)
– 参加方法:事前申し込み不要で、誰でも参加可能(日本語のみ対応)

 

<実験の流れとポイント>

 

・デジタルサイネージに登場するVHAの人物像は「調布に詳しいおしゃべり好きなお姉さん」。

・待機時には、人を惹きつける動作や表情の変化で注目させる。

・人物を認識したら、手を振ったり挨拶したりして会話のきっかけをつくる。

・自己紹介など能動的な発話を交えながら参加者と対話。

・調布の見どころやイベントに関するクイズを出し、対話をリードしながら地域の魅力や活動を伝える。

・最後に、参加者の行動を促すようなお願いをする。

 

<検証項目>

 

1.VHAによるコミュニケーション創出可否。
2.コミュニケーション内容の分析。
3.コミュニケーションによるユーザーの行動変容可否。
4.VHAの社会受容性や利便性、印象の評価。

 

 

※1)参考文献:

1.“The Effect of An Animated Virtual Character on Mobile Chat Interactions”<https://dl.acm.org/citation.cfm?id=2814957>

2.“The LISSA Virtual Human and ASD Teens: An Overview of Initial Experiments”
https://www.cs.rochester.edu/hci/pubs/pdfs/lissaasd.pdf

 

 

■クーガー:https://couger.co.jp/jp/index.html

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。