コスモ石油と日揮ホールディングス(以下、日揮HD)、レボインターナショナルの3社は11月8日、廃食用油を原料とした国産SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)の製造や供給事業の合同会社「SAFFAIRE SKY ENERGY(サファイア・スカイ・エナジー)」を1日に新たに設立したと発表した。なお、同事業は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から採択(*)を受けた助成事業となる。
国内での廃食用油の収集からSAFの製造、輸送・供給に至るまでのサプライチェーン構築に向け、2020年夏から共同で事業化検討を進めてきた、コスモ石油と日揮HD、レボインターナショナルの3社が、今月1日、国内初となる国産SAFの大規模生産を目指す新会社「SAFFAIRE SKY ENERGY」を設立した。
宝石のサファイア(Sapphire)とSAFをかけた造語の“SAFFAIRE”と“SKY ENERGY”からなる社名には、空の脱炭素化を実現するという新会社の強い意志をゆるぎない心の象徴とされるサファイアの深い青に重ねた“SAFFAIRE”に“SKY ENERGY”を組み合わせることで、SAFという次世代エネルギーで「未来もずっと青空が続くように」という願いが込められていると云う。
新会社では、原料調達をレボインターナショナルと日揮HDが、SAF製造設備に係る設計・調達・建設役務を日揮が、そしてその製造と販売をコスモエネルギーグループ(コスモ石油とコスモ石油マーケティング)が担当。100%廃食用油を原料とした年間約3万キロリットルのSAF国内供給を目指す。
また、SAF生産設備については、大阪府堺市のコスモ石油堺製油所内に2023年夏を目途に着工し、2024 年内に完工、2024年度下期~2025年度初での運転開始を予定。この設備では、バイオプラスチックの原料となるバイオナフサやバイオディーゼルも生産する。
日揮HD、コスモ石油、レボインターナショナルの3社は、国産SAFの導入、普及・拡大を目指す有志団体「ACT FOR SKY(アクト・フォー・スカイ)」に発足時(3月2日)から加盟しているが、新会社では、その運営委員長も務める西村勇毅氏(日揮HD サステナビリティ協創部)が中心となって、国産SAFの機運を醸成し、市民・企業の意識変革を通じて行動変容に繋げることにより、国内初となる商用規模での国産SAF供給体制の実現に取り組んでいくと云う。
今後3社は、新会社設立を通じて、SAFのサプライチェーン構築に向けた事業開発を一層加速させると共に、大阪・関西万博の開催によってSDGsについて世界からの関心がさらに高まる2025年に国産SAFを供給できる体制を整備、併せて、持続可能な循環型社会の形成を目指していくとしている。
*)NEDOホームページ:https://www.nedo.go.jp/koubo/FF3_100312.html
[新会社概要]
– 会社名:合同会社 SAFFAIRE SKY ENERGY(サファイア・スカイ・エナジー)
– 出資比率:日揮HD 48%/コスモ石油 48%/レボインターナショナル 4%
– 本社所在地:神奈川県横浜市西区みなとみらい 2-3-1
– 設立日:2022年11月1日
– 資本金:1億円
– 代表者:秋鹿 正敬(日揮HD 常務執行役員)
– 事業内容:
国産廃食用油を原料とするSAF、バイオナフサ、バイオディーゼルの製造および販売。
<プラント概要>
– 建設予定地:大阪府堺市西区築港新町(コスモ石油 堺製油所内)
– SAF製造能力:約3万キロリットル/年
– 原料:国産廃食用油
– プラント運転開始予定:2024年度下期~2025年度初
■コスモ石油:https://www.cosmo-oil.co.jp/
■日揮ホールディングス:https://www.jgc.com/jp/
■レボインターナショナル:http://www.e-revo.jp/
■ACT FOR SKY:https://actforsky.jp/