西日本旅客鉄道(JR西日本)と東日本旅客鉄道(JR東日本)は、MaaS(Mobility as a Service)において、相互連携することで合意した。
両社は、JR東日本の「JR東日本アプリ」や、JR西日本がサービスを開始する「WESTER」をはじめとするMaaSの取組みを、今後、協力・連携して進め、その相乗効果により、付加価値の高いサービスを提供するとともに、日本のMaaS連携推進に貢献する。
[連携イメージ]
・現在「JR 東日本アプリ」にて実証実験を行っている「リアルタイム経路検索(列車の遅れを加味した経路検索)」について、今年度内を目途にJR西日本の一部線区でも利用できるようにするとともに、「WESTER」でも検索可能となるよう検討を進める。
・「JR 東日本アプリ」や「WESTER」をはじめとする両社が提供する MaaSの相互告知・リンク等の検討を進める。
※具体的な連携内容、実施期日等については、サービス内容が決まり次第、随時告知。
[各社の取組みについて]
<JR東日本>
JR東日本は、地域創生、課題解決、流動活性化の施策の一つとして、「変革 2027(2018年7月発表)」において、検索・手配・決済の3つの機能をオールインワンで提供する「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム(MLP)」の構築を掲げており、現在、これに基づき、MLP構築や様々な実証実験に取り組んでいる。
具体的には、列車の運行情報や混雑情報等を提供する「JR東日本アプリ」や、タクシーやシェアサイクルのシームレスな利用を目指す「Ringo Pass」アプリの他、観光型MaaSでは「伊豆エリア(2019年4月~、12月~、2020年11月~(予定))を皮切りに、新潟エリア(2019年10月~)、仙台エリア(2020年2月)、群馬エリア(2020年4月~)、そして現在は仙台・宮城エリア(2020年9月~)と、機能の充実を図りながら断続的に実証実験を展開している。
<JR西日本>
JR西日本は、西日本エリアの交流人口、関係人口を増加させることを目指す中で、デジタル技術を活用して移動や生活サービスをシームレスに提供する「MaaS」を重要な経営課題ととらえ、様々な取組みを進めている。
観光型では、2019年10月から、せとうちエリアにおいて「setowa」の実証実験を開始し、2020年10月からは実装に移すとともに、地方型では2019年10月より島根県邑南町との検討を開始し、2020年4月より地域公共交通のデジタル化に向けた配車システムの実証実験を展開している。
また、関西の鉄道事業者7社により2019年に組織された「関西MaaS検討会」にも属し、2025年に開催される大阪・関西万博に向け「関西地域におけるMaaSのあるべき将来像」「関西鉄道事業者間の連携を前提としたMaaSシステムの構築」などについて共同で検討している。
■(JR東日本)変革 2027(PDF):https://www.jreast.co.jp/investor/moveup/pdf/all.pdf
■(JR西日本)実現したいMaaSのイメージ(PDF):https://www.westjr.co.jp/press/article/items/190920_00_maas.pdf