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2021年6月14日【エネルギー】

エネオスと凸版、古紙バイオエタノール事業で協業検討

NEXT MOBILITY編集部

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エネオス(ENEOS)と凸版印刷は、6月14日、エネルギーの低炭素化と循環型社会の実現に向け、古紙を原料としたバイオエタノール事業の立上げについて共同で検討する事に合意し、協議を開始したと発表した。

同事業では、通常の再生紙だけでなく、リサイクルが難しいとされる防水加工された紙やノンカーボン紙等といった難再生古紙も、凸版印刷においてバイオエタノールの原料として最適化し、使用する。

 

また従来、全製造工程が完了した際に全ての生成物を製造窯から取り出し、新たに原料を投入してバイオエタノールを製造してきたが、今回は、エネオス開発のエタノール連続生産プロセスを活用して製造工程で原料をつぎ足しながらエタノールを抽出し、連続的に製造。原料を古紙するエタノール連続生産プロセスが実現すれば前例のない取り組みとなると云う。

 

バイオエタノールを原料とするバイオ燃料は、植物等を原料として製造されるため、原料製造から燃料燃焼までのライフサイクルアセスメント(LCA)において、CO2の排出量が少ない燃料ではあるが、サトウキビやとうもろこし等、可食原料由来の製造では、食糧との競合や調達が天候に左右されるといった課題も。一方、古紙などの非可食セルロースを原料とすることで、食糧との競合回避や安定的な原料確保も期待できる。

 

凸版印刷とエネオスは、古紙を原料としたバイオエタノール事業について、今後、小規模の検証テストによるデータ等を基に採算性や環境性能の評価を実施し、2027年以降の事業化を目指す。また、将来的には自治体からの古紙回収や、製造物を、バイオガソリン、バイオジェット燃料、バイオケミカル原料として販売することも検討していくと云う。

 

凸版印刷では、「トッパングループ環境ビジョン 2050」に基づいて脱炭素社会・資源循環型社会の実現のための取り組みを進めている。また、エネオスでは、グループの2040年長期ビジョンに自社排出分CO2のカーボンニュートラルを掲げ、エネルギーの低炭素化に向けた研究開発を進めている。両者は、古紙を原料としたバイオエタノールの製造に取り組むことで、低炭素・循環型社会の実現に貢献していくとしている。

 

 

[事業概要]

 

<原料>

 

凸版印刷グループの工場や自治体、企業から排出される難再生古紙やシュレッダー紙将来的にはセルロース系廃棄物の使用も検討。

 

<製造プロセス>

 

① 凸版印刷が効率的なバイオエタノール製造を可能にする古紙の前処理を行う。

② ENEOSが開発したセルロース系エタノール製造技術(※)を活用し、最適なプロセスでバイオエタノールを製造。

③ 副生成物の二酸化炭素は分離・回収して有効活用する。

 

※エネオスと王子ホールディングスが共同実施した、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「セルロース系エタノール生産システム総合開発実証事業」の成果を含む。

 

<最終製品>

 

バイオガソリン、バイオジェット燃料、バイオケミカル原料。

 

<両社の役割>

 

・凸版印刷

– 幅広い顧客とのネットワークを通じ、難再生古紙を含めたセルロース系廃棄物の調達ルート構築。

– 活用可能なセルロース資源をバイオエタノール製造に適した原料とする前処理プロセスの開発。

 

・エネオス

– 効率的な次世代バイオエタノール製造プロセスの開発。
– 当該製品を活用した環境配慮商品の開発。

 

<今後のスケジュール>

 

2027年度以降の事業化を予定。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。