大分県大分市と日産自動車、大分日産自動車、および日産プリンス大分販売の4者は、10月25日、「電気自動車を軸とした地域課題解決に関する包括連携協定」を締結したことを発表した。
日産では、同協定を含め、これまで11の自治体と協定を締結してきたが、「包括連携協定」は、大分市が初となる。
「電気自動車を軸とした地域課題解決に関する包括連携協定」の概要は、以下の通り。
[協定の概要]
① 環境対策:電気自動車(EV)の普及促進による市民の環境意識の向上
大分市と日産は、電気自動車(EV)の普及啓発を行うほか、市のイベントで使用する電力を電気自動車(EV)から供給することで、電気自動車の「動く蓄電池」としての活用を市民へ積極的にアピールし、環境意識向上を目指す。
また、平常時のイベント開催による、電気自動車(EV)普及促進のための出展や、電気自動車(EV)を用いての電力供給PRを実施。
② 防災・災害対策:災害時における電気自動車(EV)活用による市民の安全確保
日産、大分日産自動車および日産プリンス大分販売は、大分市で災害発生を起因とする停電が発生した際、または災害が起こりうる状況で市からの要請があった際に、大分市が指定する避難所に、大分日産自動車/日産プリンス大分販売の店舗に配備している電気自動車(EV)「日産リーフ」を無償で貸与する。
なおこれは、電力の復旧が遅いと想定される地域(大分市役所から15㎞圏外を想定)の避難所での電力供給を想定。台数は9台までを予定している。
大分市、日産、大分日産自動車及び日産プリンス大分販売が協力して電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
大分市は、すでに導入済みの可搬型給電器2基の利用状況を検証し、今後の災害対策の取り組みに役立てる。
③ 安全対策:交通事故低減
高齢者ドライバーの安全対策の必要性に関する広報活動や、交通事故低減のための先進安全技術の啓蒙活動の推進。
④ 交通弱者対策:高齢者など、交通弱者に対しての対策検討
交通弱者のための各種モビリティソリューションの検討。
⑤ その他、地域の活性化及び行政サービス等に関して
市民見守りサービスの向上等。
大分市では、「第2期大分市地球温暖化対策実行計画(平成29年3月策定)」の中で、電気自動車や燃料電池自動車などの次世代自動車の導入を促進することを掲げ、移動や輸送によって排出される温室効果ガスを削減する取組を行ってきた。
また、防災面では災害時の避難所の電力確保として、カーインバーターを備蓄するとともに、避難所となっている地区公民館13カ所にガソリン発電機を設置。加えて、昨年度から小中学校15カ所に災害対応型ガスバルクユニットの整備を2カ年かけて行うこととしている。
大分市と日産自動車は、今後もこの協定締結を機に、温暖化対策の推進、災害に強いまちづくり、更には、電気自動車(EV)の普及を通じた様々な地域課題の解決や安全対策に向けて連携を強化していくとしている。