日本郵船、東芝エネルギーシステムズ、川崎重工業、一般財団法人日本海事協会、ENEOSの5者は2月26日、2020年9月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)助成事業の公募採択を受けた「高出力燃料電池搭載船の実用化に向けた実証事業」に関して、横浜市と包括連携協定書を締結したことを発表した。
連携内容は以下。
(1)高出力燃料電池搭載内航船舶(以下、水素FC船)(注1)の開発に関すること
(2)船舶向け水素燃料供給の開発に関すること
(3)船舶での水素エネルギー利活用の情報発信に関すること
(4)その他、災害時における高出力燃料電池搭載内航船舶を活用した事業継続性の検討に関すること
5者は水素FC船の開発・実証運航(2024年予定)に向けて、横浜市と連携して取り組みを進め、環境に配慮した船舶への対応をいち早く進めるとともに、横浜港から脱炭素化社会の実現に貢献していきたいとしている。
(注1)FCはFuel Cellの略で、燃料電池のこと。
(注2)国際物流の結節点・産業拠点となる港湾において、水素、アンモニア等の次世代エネルギーの大量輸入や貯蔵、利活用等を図るとともに、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化を通じて温室効果ガスの排出を港全体としてゼロにする構想。
■NEDO事業概要
燃料電池は、燃料が有する化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電装置であるため、本質的に高いエネルギー効率を得ることが可能であるとともに、発電時に二酸化炭素が発生しないため、温室効果ガス排出抑制への貢献が期待されている。
一方で、今後の自立的な普及拡大に向けてはさらなる高効率・高耐久・低コスト化が必要であり、また製品を市場投入したことで多数の課題が顕在化している。
この事業では、燃料電池システム(水素貯蔵タンクなどを含む)の高効率、高耐久、低コストを実現するためのユーザーニーズに基づく協調領域の基盤技術を開発するとともに、従来以外の用途に燃料電池を展開するための技術や大量生産のための生産プロセス・検査技術の開発を支援。2020年2月から実施者を公募し、46件の研究開発テーマを採択している。
本事業の展開イメージ