ホンダは4月20日、ドイツのニュルブルクリンク(Nürburgring)サーキットの北コース(Nordschleife:20.832km)で、「CIVIC TYPE R (シビック・タイプR)」の性能評価のための走行テストを実施してFF最速ラップを記録したと発表した。
この数値は、同サーキットの公式ルールに基づく公式測定値(2019年制定)として、同社がFFモデル最速と謳う“7分44秒881”を刻んだとしている。
その「速さ」を支えるとする技術は以下の通り。
・先代モデルの2.0L Vテック・ターボ(VTEC TURBO)エンジンをベースに、ターボチャージャーの刷新などにより最高出力243kW、最大トルク420N・mに向上させた。
・フロントグリル開口面積拡大や、ラジエーターの有効開口面積の拡大などにより、冷却性能及び排熱・空力性能を向上させた。
・フロントとリア共に、細部の形状にこだわったデザインにより効果的にダウンフォースを向上させ、限界走行時における安定性を実現させた。
・先代から採用している2ピースディスクブレーキシステムのマスターパワーの特性を変更し、低速から高速までのさらなるブレーキのコントロール性を高めた。
また、ブレーキへの導風効率を高め、クローズドコースでの連続走行時におけるブレーキ温度の上昇を低減し、安定したブレーキ効力と耐フェード性を実現させた。
・シビック・タイプRに標準装着されるMICHELIN PILOT SPORT 4 S(ミシュラン・パイロット・スポーツ4 S)の開発ノウハウを生かし、ミシュランとMICHELIN PILOT SPORT CUP 2 CONNECT(ミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2・コネクト)を共同開発。
サーキット走行性能をより引き出し、ドライグリップ性能を向上させると共に、バランスのよいハンドリングを実現した。
シビック・タイプRの開発責任者である柿沼秀樹氏は、「シビック・タイプRは、“Ultimate SPORT 2.0(アルティメット・スポーツ2.0)” をコンセプトに据え、己を超えるクルマづくりでタイプRにしかない 「本質」の価値と、心に響く「官能」を磨き上げた、究極のFFスポーツを目指し開発しました。
2022年9月の日本での発売を皮切りに、私たちの想像を遥かに超える驚きと喜びの声を、世界中の皆様から数多くいただく中で、もう一つ、私たちが果たさなければならない使命がありました。それは、“ニュルブルクリンクFF最速”を成し遂げることです。
先代シビックのタイプRから6年の時を超え、私達がタイプRにかけた想いと進化の先に到達した新次元。ついにその称号を世界中のタイプRファンの皆様にお渡しすることが叶いました。
すでにお乗りいただいている方から、これからオーナーになられる方まで、私達とともにその誇りを胸にしながらタイプRを愛し、そして満喫していただけることを心より願っています」と話している。