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2025年1月6日【CASE】

近未来の社会を提案する「CES2025」いよいよ開幕へ

坂上 賢治

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世界最大のテクノロジーイベント「CES2025(主催:CTA/Consumer Technology Association/全米民生技術協会)」が米国ネバダ州ラスベガスで1月7日から1月10日の日程で開催する。

 

全米民生技術協会(CTA)は、北米最大の技術業界団体であり、当地ではテクノロジー業界を代表する存在となっている。メンバーはスタートアップから世界的なブランドまで、世界をリードするイノベーターで構成されており、1800万人を超えるアメリカの雇用を支えていると謳っている。

 

今開催テーマは「待つのはもう終わり、向かうときだ!」と題し、ゲームチェンジをもたらすAIや最先端のデジタルヘルスソリューション、次世代モビリティ、量子コンピューティングなど、各業界に於ける大胆なビジョンを披露されるとしている。

 

展示会場は、ラスベガス内の複数会場が舞台となり、新興企業からハイテク大手に至るイノベーションリーダーが結集する。

 

ちなみにモビリティ領域では、LVCC(Las Vegas Convention Center)の西ホール(West Hall)が主要なモビリティ・ステージとなり、持続可能でコネクテッドな世界の実現について多彩なプログラムが展開される。

 

 

なおメディア・デーにあたるプレショーイベント「CESメディア デイズ」は、5日〜6日にマンダレイ・ベイで開催され、トヨタ自動車やホンダ、パナソニックなど日本企業の参画も予定されている。

 

キンジー・ファブリツィオCTA会長とゲーリーシャピロCEO兼副会長

 

開催に先立ちCTA会長のキンジー・ファブリツィオ氏は、「私たちは、経済成長を促進し、株式ポートフォリオを押し上げ、産業を変える力など、テクノロジーの全体像について語り合うとに多くの時間を費やしてきました。技術革新の力と可能性を信じている世界中の多くの人が集まる場所として、CESのような場所は、世界広しと言えども他には存在しません。CES 2025は、世界のあらゆる産業と、最先端の技術市場を大きく前進させ、多様な会話と繋がりを拡張させていきます」と述べた。

 

またCTAでCEO兼副会長を務めるゲーリーシャピロ氏は、「何百万人もの人々の生活を向上させ、新たな雇用を創出し、世界経済の成長を促進するイノベーションを紹介するCES 2025にDIVE INできることをうれしく思います。CESは未来が始まる場所であり、様々な取引が成立してパートナーシップが築かれ、世界を変えるアイデアが生まれることでしょう」と語っている。

 

開幕の杮落としでは、そんなシャピロ氏とファブリツィオ氏がイノベーションの未来についてのビジョンを語る「業界の現状」講演で正式に開幕。人々に力を与えるテクノロジーの力に焦点を当てたものとなる見込みだ。

 

併せて理事会のメンバーであるディーナ・ガザリアン氏、オースター創設者とデビー・テイラー・ムーア氏クオンタムクランチ創設者兼CEOもステージに迎え、CTAとクオンタムワールドコングレスとの新たな協力関係と、CTAのすべての人のためのイノベーション基金への5百万ドルの新規投資を発表する。

 

 

なおCES2025が開幕直前に於いて挙げたキーノート例は以下の通り

 

エヌビディア:エヌビディアの創業者兼CEOのジェンセン・フアン氏は、自社の将来のビジョンについて語りAIイノベーションを通じてコンシューマーとビジネスのインフラを前進させた実績などを語る。

 

パナソニックホールディングス:パナソニックホールディングスのグループCEO楠見 雄規氏は、持続可能性、人工知能、次世代の健康に対するパナソニックグループのビジョンを語る。

 

先に紹介したメディア・デイズでは、世界のトップブランドのスピーカーによる19の記者会見が行われる。今年の記者会見にはMD、Bosch、HDMI、Hisense、Invo Station、John Deere、LG Electronics、National Sleep Foundation、OnMed LLC、Samsung、SHOKZ、Siemens、Sony、SRI(住友ゴム工業)、TCL、TomBot、Toyota、Variowell、とZeekr(吉利)が参加する。

 

更で1月7日から本開幕となるCES 2025では、CES クリエイター・スペース、デジタルヘルスサミット、イノベーション・ポリシー・サミット、リサーチ・サミット、とリサーチ・サミットなど、トップトラックやステージを含む300以上のカンファレンス・セッションが開催される。 

 

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2025年開催の主要トレンド

 

デジタルヘルス領域に取り組むDeepXEMDLG、ロッテ、サムスン、シーメンスなどCES では、健康全般にわたる技術革新、寿命の延長、コストの削減、健康の公平性と患者のエンパワーメントの向上を紹介。

 

エネルギー領域に取り組むAARPEssilorLuxotticaNuvilabOnMedResmedVariowellWithingsなど: 新興技術は、エネルギー転換の課題を推進し、解決します。エネルギー転換に関する新しい会議トラックでは、技術と拡張性の障壁を克服しながら持続可能な未来を形作ることに取り組む。

 

モビリティ領域に取り組むEatonEneosHitachiQnovoSKWePower Technologiesなど乗用車や自動運転車から建設、農業、海洋技術、高度な航空旅行まで、モビリティのエコシステム全体を結集。西ホールの新しいステージでは、モビリティの未来を描き、より持続可能でつながりのある世界をどのように創造できるかを探求するプログラムを紹介する。

 

AI領域に取り組むBMWBrunswickCaterpillarHondaJohn DeereOshkoshScout Motors、Quantumなど: 量子力学を使用したハードウェア、ソフトウェア、AI により、技術を改善し、セキュリティ、センシング、コンピューティングを強化した新しいアプリケーションを作成し、イノベーションを推進。Quantum World Congress と提携して行われる半日の会議プログラムでは、これらの進歩に焦点を当てる。

 

セルリッド、戦闘能力開発司令部(DEVCOM)、統合量子光子を筆頭に炭素中立領域に取り組むD-Carbonize、Exeger、Jackery、Panasonicなど排出量の削減とエネルギー効率の向上を目的とした技術、および持続可能でカーボン ニュートラルな材料のイノベーションを展示する。

 

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主なプレゼンテーション日程

 

月曜日、16
NVIDIA創設者兼 CEO Jensen Huang(ジェンスン フアン) – 午後 6:30、マンダレイ ベイ

 

火曜日、17
– パナソニックホールディングス株式会社グループ CEO久住由紀氏、午前8時30分、The Venetian(ザ・ベネチアン)
– CTA CEO兼副会長 Gary Shapiro(ゲイリー・シャピロ) 氏とCTA 会長Kinsey Fabrizio(キンジー・ファブリツィオ)氏、午前8時30分、The Venetian(ザ・ベネチアン)
– SiriusXM CEO Jennifer Witz(ジェニファー・ウィッツ)、午前 11 時、ARIA
– X Corp CEO Linda Yaccarino(リンダ・ヤッカリーノ)、午後 1 時 30 分、The Venetian(ザ・ベネチアン)
デルタ航空空CEO Ed Bastian(エド・バスティアン)、午後 5 時、Sphere

 

水曜日、 8 
– Volvo グループ社長兼 CEO Martin Lundstedt(マーティン ルンドステット)、午前 9 時、The Venetian(ザ・ベネチアン)
– Accenture 会長兼 CEO Julie Sweet(ジュリー スウィート)、午後 2 時、 The Venetian(ザ・ベネチアン)
– Waymo 共同 CEO Tekedra Mawakana(テケドラ マワカナ)、テクノロジー リーダー ディナー

 

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展示フロア

 

LVCC セントラル ホール

BoschHisenseLGPanasonicSamsungSonyTCLなど:家庭や没入型エンターテイメントに関する最新テクノロジーを展示。カスタマイズされた家庭内エンターテイメントや家族向けゲームの中心となる場所。

 

LVCC 北ホール

AIMA E-Bike、日立、Indiegogo、シーメンス、Xpeng AeroHTなど:スマート コミュニティ、IoT、AI、持続可能性、エネルギー、エンタープライズ ソリューションに焦点を当てる。北ホールでは、これらのテクノロジーが連携して、現在および将来の日常生活をサポートする方法を紹介する。

 

LVCC サウス ホール

EcoFlowGreen Merit 株式会社、MaonoPecronPkcellなど:2025 年に再び開催されるサウス ホールでは、生活や仕事を向上させるアクセサリーや思い出に残る製品が提案される。

 

LVCC 西ホール

Amazon AutomotiveHondaInvo StationMobileEye、QualcommWaymoなど:西ホールでは、乗用車や自動運転車から建設、農業、ボート、高度な航空旅行まで、モビリティのエコシステム全体を体験できる。

 

C Space®/ARIA

DisneyFoxiHeartKrogerMarsRedditRokuT-MobileUber 広告、Walmart 広告など:世界を代表するブランド、広告主、メディア プラットフォーム、コンテンツ クリエイターが集まり、取引を成立させ、トレンドを探り、業界を一変させる最新のテクノロジーを発表する場となる。

 

The Venetian(ザ・ベネチアン)

AARP、ポーポート、レンフォなど:デジタル ヘルス、スマート ホーム、エネルギー管理、セキュリティ、教育、ライフスタイル、フード テクノロジーなど、スマート リビングの集積エリア。

 

The Venetian(ザ・ベネチアン)のユーレカ パーク

韓国、日本、台湾、ウクライナ、アメリカなど世界各国からのグローバルパビリオンなど:CES のスタートアップ ハブ。世界中から約 1,400 社のスタートアップが集結する。

 

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最後にCTAはラスベガス開催にあたり、2025年グリーン補助金プログラムを通じて、CESの本拠地であるネバダ州南部の組織の持続可能性への努力を評価・支援し、持続可能性に焦点を当てたネバダ州の3つの組織に125,000ドルの資金を提供していく。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。