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2024年10月3日【MaaS】

カタレン、成田空港との実証実験が本格事業に

坂上 賢治

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MaaSアルゴリズムを開発・運用するPathfinderが提供する片道レンタカーサービス「カタレン」が、成田国際空港並びにMICと連携実証してきた「成田空港専用片道レンタカー≪カタレン for Narita≫」が来たる10月から本格的に事業を始動させることを明らかにした。

 

成田空港らと当初の実証実験を開始した背景には、新型コロナウイルスが収束に向かう中、航空便の回復とともに空港利用者数が増加したことが切っ掛けとなった。

 

また深夜や早朝のフライト利用者にとって、従来の公共交通機関は運行時間に制限がある等の課題もあり、このような状況を背景に、Pathfinderは成田国際空港らと連携し、成田空港内の駐車場と東京や横浜などの主要都市を結ぶカタレンの実証実験を2022年10月より開始した。

 

カタレンは、空港から目的地まで片道のみでレンタカーを利用でき、返却のために空港や他の拠点に戻る必要がないという利便性が特徴のサービス。この仕組みにより、旅行者やビジネスパーソンは、深夜早朝のフライトに対応した柔軟な移動手段だけでなく、日中でも空港への新たなアクセス手段として利用でき、効率的に目的地まで移動することが可能となる。

2022年10月より開始された実証実験では、成田空港内の駐車場と東京、横浜などの主要都市を結ぶ片道専用レンタカーサービスの有効性を検証した。この実証実験を踏まえて従来の公共交通機関が利用できない時間帯でも、利用者はいつでもカタレンを利用して空港にアクセスできる新しい手段が確立できたという。

 

併せて実証実験では、日中の時間帯にも多くのユーザーに利用があったため、時間帯を問わず、様々な移動ニーズに対応できるサービスとして活用されるという望外の成果もあったとしている。そんな新たな片道アクセス手段は、特に40代ファミリー層や20代の友人同士が主な利用者となり、それぞれのライフスタイルや移動ニーズに合わせた利用者からの需要が高かったため収益化に成功。これにより、サービスとしての持続可能性が確認され、今後の本格展開に向けた基盤が構築された。

 

 

新たに始動する≪カタレン for Narita≫は、東京、横浜などの主要都市と成田空港の間での片道利用が可能となり、3社では今後、大手レンタカー会社との取り組みを拡大しつつ、他の主要空港でもカタレンを展開し、全国の空港利用者にとって快適かつ利便性の高い移動手段を提供していくとしている。

 

併せて今後のインバウンド需要の増加に対応するため、海外からの旅行者にも便利で利用しやすいサービスの提供も目指す。

 

成田国際空港株式会社はこの取り組みに際し、「実証実験により、カタレンが深夜早朝など公共交通機関が運行していない時間帯に移動したい、荷物は多いが快適に移動したい、個人や家族・小グループで移動したい等のお客様の多様な移動ニーズに応えられる新たな交通手段であることが確認できました。当空港としては引き続き交通事業者の皆様と連携しながら、成田空港のアクセス利便性向上を図ってまいります」と話している。

 

カタレンの特徴は以下の通り

 

(1)元の事業所に戻すのが面倒な場面でも、片道だけの利用でフレキシブルに
空港までの移動や、買い物で荷物が増えた帰り道など、「片道だけでも車が使えれば便利なのに…」という場面に適している。

 

(2)通常のレンタカーよりも格安で利用可能
カタレンでは、車両を返却する際に回送車両を元の場所に戻すため、人と車のマッチングシステムを活用。これにより利用者が必要とする片道利用と、事業者が必要とする回送車両の運行が一致し、双方にとって効率的かつ経済的な提供サービスとしている。

 

(3)車というプライベート空間を楽しむ旅行に
片道レンタカーを利用することで、公共交通機関に代わるプライベートな移動手段を提供。周囲に気を遣うことなく移動時間を楽しめるため、仲間同士や小さな子どもがいる家族での移動も適している。これにより、長距離移動の際に、電車やバス以外の選択肢として、快適で柔軟な移動手段を提供するとしている。

 

カタレン HP:https://kataren.jp/
コーポレートHP:https://pfr.technology/

 

社 名:Pathfinder株式会社
所在地:東京都渋谷区道玄坂1-10-8 渋谷道玄坂東急ビル2F
資本金:8786万円
設 立:2020年1月27日
事 業:MaaS及び関連サービス/研究開発
代表取締役:小野﨑 悠介

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。