日本電信電話(NTT)とゼンリンは、、IoT/AI時代に向けた地図高度化のための協業を目的とした資本業務提携に、3月26日に合意した。
NTTは、ゼンリンの実施する自己株式の第三者割当を引受け、ゼンリン普通株式420万株(発行済株式総数の7.32%、議決権比率7.56%を持つトヨタ自動車に次ぐ7.44%と、NTTは第3位株主となる見込み)を4月13日(予定)に45億円強で取得する。
また両社は、インフラ管理、MaaS・自動運転分野、スマートシティ等の分野における両社のビジネス拡大、およびNTTが構想する「4Dデジタル基盤」推進のため、NTTグループの測位技術や地図整備・インフラ維持管理のノウハウと、ゼンリンの地図制作ノウハウを活用し、高精度で豊富な意味情報を持つ「高度地理空間情報データベース」を、2020年度から共同で構築する。
「4Dデジタル基盤」は、ヒト・モノ・コトのセンシングデータを、リアルタイムに高精度空間情報に精緻に統合し、多様な産業基盤とのデータの融合や未来予測を行うもの。
NTTのIOWN(アイオン)構想(※1)における「デジタルツインコンピューティング(※2)」を支える基盤として、NTT R&D及びNTTグループ会社の技術・アセットを活用し、2021年度からの機能の順次実用化と、継続した研究開発による機能拡充を目指している。
NTTとゼンリンは、この提携を通じて、両社の強みを融合し、協業を推進していくことで、IoT/AI時代に向けた地図の高度化に取り組んでいくとしている。
※1)IOWN(Innovative Optical and Wireless Network):スマートな世界を実現する、最先端の光関連技術および情報処理技術を活用した未来のコミュニケーション基盤。
※2)デジタルツインコンピューティング:デジタルツインを大きく発展させ、実世界を表す多くのデジタルツインに対して交換・融合・複製・合成等の演算(デジタルツイン演算)を行うことにより、モノ・ヒトのインタラクションをサイバー空間上で自由自在に再現・試行可能とする新たな計算パラダイム。
<(NTT)基調講演:川添雄彦「What’s IOWN? ~Change the World~」>
[当事会社の概要]
<NTT>
– 名称:日本電信電話株式会社
– 所在地:東京都千代田区大手町一丁目5番1号
– 代表者:代表取締役社長 澤田 純
– 事業内容:NTTグループ全体の経営戦略の策定及び基盤的研究開発の推進
– 資本金:9,379億5,000万円
– 設立年月:1985年4月
<ゼンリン>
– 名称:株式会社ゼンリン
– 所在地:福岡県北九州市戸畑区中原新町3番1号
– 代表者:代表取締役社長 髙山 善司
– 事業内容:
地図データベース及び一般印刷物の製造販売並びにこれらに附帯・関連する事業
– 資本金:65億5,764万円
– 設立年月:1961年4月
[日程]
(1)資本業務提携契約締結日:2020年3月26日
(2)自己株式の第三者割当実施日:2020年4月13日(予定)
■(NTT)多様なセンシングデータをリアルタイムに統合し、様々な未来予測を可能とする「4Dデジタル基盤」:https://www.ntt.co.jp/news2020/2003/200326c.html