伊藤忠商事は、中国で車載用電池のリユース、リサイクル事業を手掛ける中国深圳のShenzhen Pandpower(以下、PAND社)から第三者割当増資を引き受け、車載用電池のコンテナ型定置用蓄電池への再利用ビジネスを開始する。
2016年創業のPAND社は、中国国内で電気自動車(EV)に搭載される車載用電池のリユース、リサイクル事業を展開。
創業メンバー及び技術陣の大半が、大手EVメーカーで電池の開発に携わった経験を持つ専門性の高い企業で、車載用に使用されたリユース電池(*)を回収し、診断、グレーディング、再構成する独自の要素技術を保有。また、その技術力が評価され、中国大手EV・電池メーカーBYD社と取引関係もある。
中国では、2010年代半ばからEVの販売が増加、世界に先駆けて市場が拡大している一方、過去に販売されたEVに搭載された電池が今後大量に市場へ出回ることが予想されており、使用済み電池の有効活用が大きな課題となっていると云う。
伊藤忠は、PAND社との資本・業務提携を通じてコンテナ型定置用蓄電池へ転用可能な品質レベルのBYD社等のリユース電池を安定的に調達。定置用蓄電池ビジネスの知見を活かし、リユース電池を活用したコンテナ型定置用蓄電池をベースに、従来コストの問題で蓄電池の導入が困難であった電力変動の調整弁や電力過疎地でのマイクログリッド化等、新たな市場領域へ競争力のあるエネルギーサービスを提供する。
伊藤忠は、電池ビジネスをPAND社と共に進化させ、再生可能エネルギーの比率向上を通じた温室効果ガス排出削減、電力の安定供給化ならびに分散型エネルギー社会の実現に向けて貢献していくとしている。
※リユース電池とはEVに搭載され一定期間使用されたが電池の残存容量は新品時の8割程度はあり、非車載用途で再利用が可能な状態にある電池のことを指す。車載用電池では残存容量が8割を下回る状態になると取り外して交換することが一般的。
[PAND社概要]
– 会社名:Shenzhen Pandpower Co.,Ltd
– 設立:2016年
– 本社:中国広東省深圳市
– 代表者:王海涛
– 従業員数:50名
■Shenzhen Pandpower:http://www.pandpower.com/en/index.jsp