総合建設コンサルタントグループの長大は4月8日、エアモビリティが行った第三者割当による新株発行を、3月30日に新たに引き受け、資本業務提携を開始したと発表した。
長大は、創業(1968年)から50年余を経て、次なる50年の経営について、同社事業を取り巻く環境がこれまでとは全く異なってくることが予想されるとし、「空の移動革命に向けた官民協議会」の一員で「空飛ぶクルマ」の実現に向け多方面で展開するエアモビリティ社との資本業務提携を行い、その実現に寄与。世界に先駆けた未来都市の実現を推進するとしている。
[資本業務提携の内容と目的]
<内容>
エアモビリティ社が第三者割当増資により発行する新株式を長大が新たに引き受ける。
<目的>
①事業領域を拡大
長大は「長期経営ビジョン 2030」の実現の足掛かりの一つとして、これまでの建設コンサルタントとしての事業領域であった、橋梁、道路、交通、環境、都市計画、建築物、港湾河川分野に「空」を加える。
具体的には、同社がこれまで関与してきた交通・道路分野における基幹システムである「ITS(高度道路交通システム/Intelligent Transport Systems)」の総合的なシステム体系構築のノウハウや、その各開発分野におけるサービスメニューの設計を行ってきた経験と実績を活かし、空飛ぶクルマ領域でのインフラ整備おいて、総合的なシステム体系構築を行い、今後必要な開発分野でのサービスについて設計することで、安心して「空飛ぶクルマ」を利用できる環境を構築することを目指す。
さらに、エアモビリティ社と連携・協業を図ることで、地方創生の流れのなかグループが展開するスーパーシティ構想「長大タウン構想」の推進に向け、市町村等の地方自治体の新たなまちづくりに関する様々なニーズに両社で対応し、企画提案を行うなどの事業シナジーを生み出していく。
②サービスプロバイダー一層の推進
長大グループでは現在、長期経営ビジョン2030に「長大タウン構想」を掲げ、国が掲げるスーパーシティ構想を更に高度化させ、すべてのサービスとヒト、モノ、カネのシームレス化やデータ連携、それらを支える高度なインテリジェントインフラによって構成される、世界に先駆けた未来都市の実現を目指している。
その実現に向けては、国が進めるスーパーシティ構想を実証フィールドに、グループが持つ様々なインフラ、IT、再エネ技術に革新的スキームやサービスを実装するが、エアモビリティ社では、この未来のまちに必要な「空飛ぶクルマ」を実現するための、機体販売のプラットフォームと運行に必要なプラットフォームの実装を目指している。
長大は、エアモビリティ社との連携により、空飛ぶクルマの実装のために必要な制度設計や課題解決、空飛ぶクルマの利用のために必要な地上インフラとの連携や新たなバーティポート(eVTOL 垂直離着陸機用の離発着ターミナル)の整備等を提案し、国内での空飛ぶクルマの実現に寄与。これにより、既存業務および新たな業務分野の受注を拡大し、より積極的かつ戦略的な事業展開を目指す。
③グループ子会社との協業・連帯体制の構築
また、長期経営ビジョン2030の実現に向けては、新事業の創出やイノベーションが必要となるため、エアモビリティ社と連携しつつも、グループ子会社で、新たなモビリティシステムを開発、展開する「順風路」が有するオンデマンド交通の配車サービスとも連携。これにより、事業提案等につなげ、グループ全体の売上を向上させる。
[エアモビリティ社概要] (2021年3月29日現在)
– 会社名:エアモビリティ株式会社
– 代表者:代表取締役 浅井 尚
– 所在地:東京都新宿区舟町7-40 ACN四谷三丁目ビル2F
– 設立:2019年8月1日
– 資本金 3,925万円
– 従業員数:10名
– 事業内容:
空飛ぶ自動車関連サービス・商品の輸出入、企画、製造、販売およびそれに付帯する事業。
■エアモビリティ:https://www.airmobility.co.jp/