GM傘下のキャデラックは2月21日(米デトロイト発)、来たる6月に開催されるル・マン24時間レースに3台のハイブリッド・レーシングカー「キャデラックVシリーズ.R」を投入し、歴戦のチャンピオンドライバーとチームの経験を結集し総合優勝を目指すと宣言した。
キャデラック・レーシングは2年連続で、イベント主催者であるACO(フランス西部自動車クラブ)からクラシック耐久レースへの3台のエントリーを承認されている。2023年、キャデラック・レーシングはFIA世界耐久選手権(WEC)のハイパーカークラスに初参戦し、「Vシリーズ.R/2号車」が表彰台を獲得し、「Vシリーズ.R/3号車」はサルト・サーキットで4位入賞。ウェーレン・キャデラックの「Vシリーズ.R/311号車」はクラス10位に入賞した。
キャデラックのバイスプレジデントを務めるジョン・ロス氏は、「キャデラック・レーシングが再びル・マン24時間レースに参戦し、3台のマシンでハイパーカークラスの総合優勝を争うことを大変うれしく思っています。
2023年にこの歴史的な耐久レースで初の表彰台を獲得した後、私たちはこの成功をさらに発展させ、キャデラックVシリーズ.Rのテクノロジー、革新性、耐久性をアピールするとともに、レースチームの卓越した能力と決意を示したいと考えています」とコメントした。
今回のキャデラック・レーシングの陣営には、サルト・サーキットで5回の総合優勝とクラス優勝、12回のインディカー・チャンピオンシップ、2回のIMSAプロトタイプ・タイトルなどで栄冠を手にしてきたドライバーが名を連ねる。
まず「Vシリーズ.R/2号車」はWECへのフルシーズン参戦により自動エントリーとなりました。ドライバーはアール・バンバー選手、アレックス・リン、アレックス・パロウ選手となる。
「Vシリーズ.R/3号車」は、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のグランド・ツーリング・プロトタイプ(GTP)クラスに、01号車としてフル参戦する。ドライバーは、セバスチャン・ブルデー選手、レンゲル・ファン・デル・ザンデ選手、スコット・ディクソン選手の3名。
ウェーレン・キャデラックの「Vシリーズ.R/311号車」には、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスにシーズンを通して31号車として出走する。ステアリングを握るのは、IMSA GTPチャンピオンのピポ・デラーニ選手とジャック・エイトケン選手に加え、更なるコ・ドライバーが今後決定される予定としている。
この布陣に、GMのスポーツカー・レーシング・プログラム・マネージャーを務めるローラ・ウォントロップ・クラウザー氏は、「2023年のル・マン100周年に参戦することができ、とても感動しました。
新型レーシングカー、新チーム、新ルールで表彰台に上れたことは素晴らしいことです。私たちは2024年も前進を続け、昨年からの教訓を生かしてプログラムを強化し、ル・マンで世界最高峰と競い合えるよう準備しています」と述べた。
先の通り2号車の「キャデラックVシリーズ.R」は、WECデビューシーズンにおいて4度の上位5位入賞を果たし、100周年を記念したル・マン24時間レースでは3位入賞を達成した。
かつて2015年と2017年のル・マンで24時間レース総合優勝を勝ち取った経験を持つバンバー選手は、「ル・マンにキャデラックが戻ってくること、そして総合優勝に挑戦することを、私たち全員が楽しみにしています。
アメリカのメーカーがこれを達成するのは数十年ぶりのことであり、我々は目標達成に向けて強力に突き進むつもりです」と語っている。
キャデラック・デザイン、キャデラック・レーシング、シャシー・コンストラクターのダラーラ社が共同開発した「Vシリーズ.R」は、2022年6月に発表した「プロジェクトGTPハイパーカー」のデザインに基づくマシンだ。このレースカーには、縦型ライトやフローティングブレードなど、キャデラックの特徴的なデザイン要素が盛り込まれている。
パワーユニットには、ミシガン州ポンティアックを拠点とするGMのパフォーマンス&レーシング推進チームが開発した専用設計のキャデラック5.5L DOHC V型8気筒エンジンを搭載する。