中国の電気自動車(EV)メーカーBYDの日本法人であるBYDオートジャパン(BYD Auto Japan/※1)は1月12日、完成車・物品の物流に係る業務委託契約を、三菱倉庫と締結したことを発表した。三菱倉庫は、契約に基づき、BYDオートジャパンが日本で展開する乗用車事業に於いて、車両の入港から整備、国内輸送、アフターパーツの保管・全国配送まで、物流業務を一気通貫で受託する。
また両社はこの一環として、今月10日、日本における高品質かつ安定的なEVの供給を実現するべく、神奈川県横浜市大黒ふ頭に、内外装や走行性能などの納車前点検を行うBYDオートジャパンのPDIセンター(Pre-Delivery-Inspection/※2)を開設した。
アジア太平洋や欧州、中南米などでも乗用車販売を開始し、昨年1月から11月のEV販売台数で世界No.1(※3)となるなど、グローバルに事業を展開するBYD(本社:深圳)は、昨年7月、日本市場への参入を発表した。
その日本法人であるBYDオートジャパンでは、1月31日よりSUV(e-SUV)の「ATTO 3(アットスリー)」を、中頃にはコンパクトカー(e-Compact)の「DOLPHIN(ドルフィン)」を、そして下半期にはセダンタイプ(e-Sedan)の「SEAL(シール)」と、3車種の発売を計画。日本でも様々なボディタイプのEVを展開することで、ブランドパーパスとして掲げる「eモビリティを、みんなのものに。」実現を目指すとしている。
一方、機械・電機、食品・飲料、医薬品など幅広い業種のサプライチェーンをサポートするロジスティクス企業として、倉庫保管から陸上運送、国際輸送まで一貫した物流サービスを提供する三菱倉庫は、自動車関連では、パーツセンターやモータープールの運営、完成車の輸送など、様々なサービスをワンストップで提供しており、多くの企業から物流業務を受託。
現在は、「先端技術の活用による高付加価値サービスの開発」を、経営計画の基本方針のひとつに位置づけ、ロボティクスやAIの活用を積極的に進めると共に、車載バッテリーの保管等、CASE(※4)に対応した物流サービスも強化していると云う。
今回、BYDオートジャパンと三菱倉庫は、日本でのBYDのEVの安定的な供給体制を構築すべく、業務委託契約を締結。車両の入港から整備、国内輸送、アフターパーツの保管・全国配送まで、BYDオートジャパンの物流業務を三菱倉庫が担当する。
また両社は、この一環として、横浜港の大黒ふ頭に、内外装や走行性能などの納車前点検を行うBYDオートジャパンのPDIセンターを、今月10日に開設。PDIセンターの整備工場にはモータープールも併設していると云う。
<PDI検査項目の例(一部)>
・内外装の検査(ボディやガラスに傷や凹みがないか、塗装が良好か、トランクやシートに汚れがないか、タイヤの空気圧等)。
・車両の仕様/性能の検査(アクセルやブレーキペダルの踏み込み・反発が正常か、発進や加速性能、バッテリーの電圧等)。
・各種機能の検査(マルチメディアやエアコン、ワイパー、車内外照明灯の動作が正常か等)。
・充電テスト。
※1:BYDの日本法人 ビーワイディージャパン株式会社の100%出資子会社として設立された日本におけるBYDの乗用車販売サービス専業会社。
※2:自動車メーカー各社が独自に定める品質検査や日本の保安基準への適合確認など、納車前点検を行う専用施設。
※3:EV=BEV/PHEV/FCVの総称。台数情報出典:マークラインズ。
※4)CASE:自動車の分野に於ける4つの技術革新で、C=コネクテッド、A=自動運転、S=シェアリング、E=電動化を指す。
[会社概要]
<BYDオートジャパン>
– 社名:BYD Auto Japan株式会社(英名:BYD Auto Japan Inc.)
– 本社所在地:神奈川県横浜市神奈川区金港町1番地7 横浜ダイヤビルディング19F
– 代表取締役社長:東福寺 厚樹
– 事業内容:BYD製乗用車の販売、アフターセールスおよびその他関連業務。
<三菱倉庫>
– 社名:三菱倉庫株式会社
– 本社所在地:東京都中央区日本橋一丁目19番1号
– 代表取締役社長:藤倉 正夫
– 事業内容:
倉庫事業、港湾運送事業、国際運送取扱事業、陸上運送事業、海上運送業、通関業、物流情報システムの開発・販売・運営管理業、輸送・荷役機器の売買・賃貸業など 不動産の売買・賃貸借・仲介・管理業、建設工事の請負・設計・監理業、 駐車場業など。
■BYDジャパン:https://byd.co.jp/
■BYD(比亜迪汽車)(英語):https://www.byd.com/en
■三菱倉庫:https://www.mitsubishi-logistics.co.jp/