
昭和の町を自認する大分県豊後高田市(ぶんごたかだし/大分空港から高速バスで約50分)は、先の平成21年夏、35年以上眠っていたボンネットバス(いすゞBX141)を再生。「昭和ロマン号」を銘打ち、そのバスが走る(日曜、祝日を中心に周遊コースを無料運行)昭和30年代当時の姿を思わせる活気と賑わいある商店街を取り戻した。そんな昭和30年代の街並みを再現した商店街を持つ高田市は、BX(ボンネットバス トランスフォーメーション)をコンセプトに新キャラクターを提案している。
ちなみに同市の再生の発端は1992年。当時は商工会議所が大手広告代理店に依頼する流れでスタート。この際は商店街を全廃し、ドーム型の野球場や商業施設を作るなどで街を活性化するというものだった。しかしその後、商工会議所の若手職員と店主達との茶飲み話のなかで、かつて賑わった昭和30年代の商店街を復活させるという新計画が立ち上がった。
その流れに沿って2001年、国の緊急地域雇用創出特別基金事業を使って昭和30年代の商業地図をもとに現状の街並みを調べる実態調査を実施。 その結果、店舗に協力を仰ぎ、看板を昭和のものにかけ替えるなどの修景作業を介して、昭和30年代の頃の街の外観を再現する計画に取り組んできた。
結果、同市は新たな街の魅力を発信できるようになっている。今後は、先の新キャラクターのオリジナルグッズ制作。令和7年3月16日の〝第20回昭和の町レトロカー大集合〟イベントの来場記念としてステッカーを配布などで、「昭和の街」として更なる活性化を図っていく構えだ。
中小企業庁が豊後高田市の当時の資料から作成
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車両データ
型式:BX141
年式:1957年式(昭和32年)
全長:8.31m
車幅:2.43m
車高:2.96m
来歴
・昭和32年(1957年)、いすゞ自動車株式会社で車台が製造、新潟県にある株式会社北村製作所で車体が製造された後、同年5月13日に秋田県横手市の羽後交通に納車される
・活躍していたバスが徐々に古くなり、昭和44年に抹消登録
・平成18年まで秋田県大仙市内で約35年以上眠っていた
・平成19年に広島県福山市の「福山自動車時計博物館」がバスを譲り受け、1年4か月間の修復作業を行う
・平成21年7月18日から豊後高田市で走りはじめる
・現在は日曜と祝日に無料で豊後高田昭和の町商店街や桂川沿いを周遊中