今年は、スイスのザ・パール・コレクションが展示した1934年製ブガッティ・タイプ59スポーツに栄冠。ベスト・オブ・ショーを迎えるペブルビーチ・コンクールCEOのデビッド・スティバーズ氏、コンクール会長のサンドラ・バトン氏、司会のアマンダ・ステットン氏
今年のペブルビーチ・コンクール・デレガンス(Pebble Beach Concours d’Elegance)に於いて、同デレガンス史上初めて〝Preservation Car(プリザベーション・カー)〟の「ブガッティ・タイプ59がベスト・オブ・ショー」を受賞した。
今年は、16カ国29州から214台の車が競技場に集まり、最優秀賞に選ばれたのは、先の通りスイスのツークにあるパール・コレクションのフリッツ・バーカード氏が出品した1934年製ブガッティ・タイプ59スポーツとなった。
今受賞にあたりペブルビーチ・コンクール・デレガンスで会長を務めるサンドラ・バトン氏は、「最初に製造されたタイプ59であるブガッティは、数人の偉大なレーシングドライバーの手で何度もグランプリで勝利を記録した希少なファクトリーレースカーであり、王族との繋がりもあります。
なかでも最も重要なのは、ベルギーのレオポルド国王によって再塗装された時に与えられたカラーリングで保存されていることで、今日までその歴史の積み重ねを身にまとっていることです」と述べた。
受賞車のオーナーであるフリッツ・バーカード氏は、「ブガッティの歴史を幾重にも潜り抜けてきたこの車を所有していることには、とても誇らしい気持ちです。また今回の受賞は、おそらくブガッティにとっても、嬉しい出来事のひとつといえるでしょう。
特に今年のペブルビーチ・コンクール・デレガンスを受賞できたことは私にとって大きな意味があります。このクルマは、ブガッティの歴史上に於いても、その長きに亘る時間の蓄積を体験してきた証人として、また今日に於いても最も成功したブガッティの 1 台といえるからです」と語った。
ちなみにブガッティはメルセデス・ベンツと並び、ペブルビーチでそれぞれ10個のベスト・オブ・ショー賞を獲得し、現在同数で並んでいる。
なお今年、有力な候補だったクルマは、チェコ共和国クロピニェのロバート・クデラ氏の1948 年型タルボット・ラーゴ T26 グランド スポーツ サウチック ファストバック クーペ、オハイオ州シンシナティのハリー・イェギー氏の 1934 年型パッカード 1108 トゥエルブ ルバロン スポーツ フェートン、カリフォルニア州ビバリーヒルズのフィリップ・サロフィム氏の1970 年型ランチア ストラトス HF ゼロ ベルトーネ クーペなどがあった。
ペブルビーチ・コンクールは今年300万ドル以上の慈善寄付金を集めており、同イベントのこれまでの慈善寄付総額は4,100万ドルを超えた。次回2025年8月17日(日)に開催される第74回ペブルビーチ・コンクール・デレガンスは、クライスラーとインヴィクタの100周年、ヴァージル・エクスナーの作品、F1の75周年を祝うイベントとなり、その他のイベントも今後発表される予定としている。