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2024年5月30日【イベント】

ブガッティ、シチリア島で国際ミーティングを開催

坂上 賢治

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ブガッティは5月28日(イタリア発)、1906年から1977年に掛けて伊・シチリア島で行われた公道自動車レース「タルガ・フローリオ( Targa Florio )」開催の地で、国際ブガッティミーティング2024( International Bugatti Meeting )を開催した。

 

 

かつて憧れの選手達が勝利を求めて競ったタルガ・フローリオは、スポーツカーの国際レースとして最も歴史が古く、2度の中断期間を挟んで計61回に亘って繰り広げられた。

 

そんな地中海最大の島で行われた同レースは、ブガッティにとっても特別な意味を持つ。特に1925年から1929年はブガッティ・タイプ35が勝利を独占。その後の1977年に開かれた最後の公道レース開催時に於いても5連勝の記録は破られていなかったからだ。今年はそんなシチリア島で5月19日から25日までの期間、国際ブガッティミーティングが開かれた。

 

 

美しい文化の島
わずか数日間で1,000km以上を走行したタイプ13からタイプ57までの66台の車は、綿密に計画されたルートに沿って先代の車のタイヤ跡を辿り、ノートやマルツァメミなどの歴史ある街をドライブして、エットーレ・ブガッティの傑作で島のバロック建築や古代の漁村を探索した。

 

 

エトナ山をドライブ
ツアーのハイライトのひとつはエトナ山を巡る旅だ。参加者は、堂々とした火山の周囲に広がる魅惑的なシチリアの風景を満喫した。エトナ山への曲がりくねった道を進み、栗の森、ブドウ園、溶岩流を通り抜け、グランプリレーサーやヴィンテージのブガッティスポーツカーの列は、エトナ山の斜面にある伝統的なレストランでコーヒーブレイクを楽しんだ。また息を呑むような景色を背景に地元の珍味も味わった。

 

 

シチリアの遺産
シチリア島の中心部に位置するヴァル・ディ・ノートは、バロック建築のシンフォニーであり、過去を物語る石の融合であり、訪れる人々を永遠の雰囲気に包み込む。堂々とした教会、豪華な宮殿、魅力的な広場は、人間の創造性を讃え、永遠の美を讃えるものであり、ユネスコの世界遺産として認められて称賛されている。

 

参加車両はマルツァメミまで進み、海辺で昼食を摂った後、ホテルに戻り、特別な夜のプログラムを迎えた。かつてシチリア島でもっとも美しい町と言われたシラクーサでのオープンシアターナイトで参加者は、古代ギリシャ劇場で古典的なギリシャ悲劇を鑑賞し、シチリアのギリシャ的ルーツと2,000年以上に遡る文化的重要性について紹介された。

 

 

ワインの伝統
シチリア島は歩んできた歴史の足跡だけでなくワインでもよく知られている。そこで4日目の旅では、国際ブガッティミーティングの参加者は絵のように美しいブドウ園を巡り、その後、地元のワイナリーで昼食を摂った。

 

 

伝説的な職人技
旅の最終日には、再び絵のように美しいシチリア島の奥地を旅し、途中の立ち寄りで地元の職人技の見事な技に感銘を受けた。ブガッティ・ブランドの細部へのこだわりと手仕事に敬意を払うブガッティ愛好家達にとって、それは熟練した職人技の永遠の価値を起こされるものとなった。

 

総じて1,000kmの旅を通じて、国際ブガッティ ミーティングに参加したゲスト達は、シチリアの伝説に裏打ちされたタルガ フローリオレース開催時に参戦した選手達が感銘を受けたであろう、この島の美しさ。文化、歴史の融合が見せる景観や文化を体験した。そうした旅のなかでタイプ35を筆頭に、今回の国際ミーティングの参加者達は1920年代のシチリアの地に於けるタイプ35が達成したタルガ フローリオの覇権に想いを馳せた。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。