ブリヂストンは10月31日、欧州グループ会社のブリヂストン・ヨーロッパ管轄の下、ロシアで運営をしている乗用車用タイヤ工場(在:ウリヤノフスク)と販売会社(在:モスクワ)を、現地事業主へ譲渡する検討を開始したと発表した。
この決断は、ロシアに於ける供給の課題など、先行きが不透明な中、従業員や顧客、サプライヤーを念頭に、事態を慎重且つ総合的に熟考した結果であると云う。なお、譲渡の手続き完了までには数ヶ月程度を要するとのこと。
ブリヂストンは、1998年にロシアで本格的に事業を開始し、欧州グループ会社のブリヂストン・ヨーロッパ管轄の下、乗用車用タイヤ工場と販売会社を運営してきた。
しかし今年3月、ウクライナでの戦争を受けて、ロシア乗用車用タイヤ工場の稼働停止と新規設備投資の凍結、並びにロシア向けタイヤ輸出の停止を決定(※1)。そして今回、ロシアにおける供給の課題など、先行きが未だ不透明であることを理由に、ロシア事業を現地事業主に譲渡する検討を開始した。
なお、ブリヂストンでは3月以降も、タイヤ工場と販売会社合わせて約1,000名の従業員に対し、給与の支払いや福利厚生の提供を継続してきたと云う。また今後も、長年に亘るロシア事業への貢献に対する感謝から、企業コミットメントである「Bridgestone E8 Commitment(ブリヂストンイ ーエイトコミットメント)」を軸に、現地従業員への支援を続けていくとしている。
年間業績予想については、ロシア事業の売上収益はグループ全体の約2%弱であることから、変更はないとのこと。
※1:(ブリヂストン) ブリヂストン、ロシアにおける生産及びロシア向けタイヤ輸出停止とウクライナ人道支援を決定(2022/3/14付ニュースリリース)(PDF):https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/pdf/2022031401.pdf