ブリヂストンは11月12日、来る2021年1月1日付で経営執行体制を変更すると共に、新しい人事制度へ移行する。この体制・組織の刷新により意思決定の迅速化を図り、また新人事制度の下、人財のポートフォリオ明確化と最適配置、新たな人財育成を進めるなどして、経営体質を強化する。取り組みの主な内容は、以下の通り。
1.経営執行体制・組織の刷新
・組織階層を現行の5階層から、基本的に「経営層」「幹部層」「管理層」からなる3階層へシンプル化(*1)。
・執行役員制度を廃止し、各事業/機能の最上位責任者としてグローバル経営責任を負う「経営層」を、現行の60名程度から常務役員以上の20名程度へ削減。
・各組織単位のマネジメントを担う組織長のポジション数を2割削減。
・特定の領域で高度専門知識/スキルを有し、個人の知見や経験で事業に貢献する「スペシャリスト」職を新設。
2.人事制度改革
・現行のメンバーシップ型にジョブ型コンセプトを一部導入し、ブリヂストン流のハイブリッド型制度を模索。当面は管理層のうち高度専門知識/スキルが求められる一部のポジションにジョブ型コンセプトを導入し、効果検証しながら順次対象を拡大。
・年功序列型の評価/報酬制度を廃止
管理層以上:ポジション主義による評価・昇進制度、360度評価などを導入。
一般層(スタッフ職):定期昇給制度を廃止し、成果・成長ベースで評価する制度へ移行。
3.新たな人財育成の取り組み
・次世代グローバル経営人財候補の選抜・育成など、人財ポートフォリオに即した育成プログラム設計・機会提供。
・ダイバーシティ&インクルージョン推進: 女性管理職登用/外部採用強化、メンター制度などサポート体制を今後整備。
ブリヂストンは、「2050年にもサステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社であり続けること」をビジョンとして掲げ、その実現に向けて中長期事業戦略を推進。
今回の経営執行体制および人事制度の刷新を通じて、中長期事業戦略の実行化に向け、コア事業(タイヤ・ゴム事業)における体質変革と、成長事業(ソリューション事業)における新たな体質創造を実現するとしている。
また、今後も中長期事業戦略の実行化を支える多様な人財の成長・活躍を促進し、組織能力を最大化すべく、人事システム・組織の抜本的改革、人財採用・育成強化など、独自のHRX(ヒューマンリソース・トランスフォーメーション)を推進していくとしている。
*1:現行は「常務執行役員」「執行役員」「本部長」「部長」「課長」の5階層。これを「経営層(常務役員)」「幹部層(統括部門長/部門長)」「管理層(部長/課長)」の3階層とする。