ブリヂストンとミシュランは11月19日、Smithers Recovered Carbon Black Conference(スミサーズ・リカヴァード・カーボンブラック・カンファレンス)にて、マテリアル・サーキュラリティに貢献する再生カーボンブラックの利用拡大についての公開討論に参加すると発表した。
世界では、毎年およそ10億本のタイヤがその役割を終えると推定されるなか、使用済みタイヤの原材料の再利用や再生技術の研究が進められている。一方で、よりサステナブルなエコシステムを構築し、タイヤ・ゴム業界全体におけるマテリアル・サーキュラリティを実現するには、様々な障壁があるのが実態であった。
タイヤの重要な原材料であるカーボンブラックに占める再生カーボンブラックの割合は、再生から使用にいたる循環が未確立であるため、世界全体で1%未満に留まっている。再生カーボンブラックの利用が拡大されることで、タイヤ・ゴム業界ではタイヤの性能を維持したまま石油由来の原材料の使用量を抑制することができると同時に、新品のカーボンブラックを使用した場合に比べ、製造時のCO2排出量を約85%まで削減することができる。
このカンファレンスは、2021年11月22日から23日にオランダ・アムステルダムで開催される。ブリヂストンとミシュランは、今回の公開討論において、カーボンブラックの再生技術の確立と新品タイヤ生産への利用拡大の展望について話す予定。そしてその実現に向けて、タイヤメーカー各社、カーボンブラックサプライヤー、そして再生資源への還元技術を持つスタートアップ企業など、タイヤ・ゴム業界にかかわる全てのステークホルダーとの連携の必要性を訴える。
今後、共同イニシアチブの一環として、サーキュラーエコノミーの実現に向けたタイヤ・ゴム業界としての取り組み方針の検討を促進していくとともに、2022年には両社から、再生カーボンブラックの利用拡大に向けた技術要件や課題と対策についての具体的な報告を行いたいとしている。