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2025年3月7日【事業資源】

ブリヂストン、2025年モータースポーツ活動計画を発表

坂上 賢治

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サステナブルなグローバルモータースポーツ活動の強化

 

ブリヂストンは3月7日、2025年のモータースポーツ活動計画を決定した。本年も4輪レースでは「POTENZA」ブランド。2輪レースでは「BATTLAX」ブランドのタイヤを中心に、トップカテゴリーレースからアマチュアドライバーによる参加型レースまで、国内外での様々なモータースポーツをサポートし、モータースポーツ文化の発展に貢献する。

 

その頂点に立つトップカテゴリーレースでは、「Bridgestone」ブランドに於いて、国内4輪レースの「SUPER GT」や2輪の「全日本ロードレース選手権」、海外では世界最高峰の2輪耐久レースである「FIM世界耐久選手権(EWC)」などにタイヤを供給する。

 

また、「Firestone」ブランドでは、INDY500を含む米国の伝統あるモータースポーツシリーズである「NTT INDYCAR(R) SERIES」の単独タイヤサプライヤーとして、ワンメイクでレースを支える。

 

アマチュアの参戦カテゴリーでは、一人ひとりのパフォーマンスを足元で支える

 

アマチュアドライバーも参戦できるカテゴリーでは、「スーパー耐久シリーズ」 に於いて、引き続きオフィシャルタイヤサプライヤーとしてタイヤを供給しレースをサポートする。また、市販タイヤを活用した「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup」や「マツダグラスルーツモータースポーツカテゴリー」「全日本ジムカーナ選手権」、入門者向けラリー競技「TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge」などにもタイヤを供給する。

 

初めてサーキットを走るビギナーには参加型走行イベント「POTENZA Circuit Challenge(PCC)」を継続し、モータースポーツファンの裾野をさらに広げていく。これらの様々なレースを通じて、極限の状況に於けるタイヤの限界性能を追求する技術力やブランド力などを磨き続けると共に、プロフェッショナルからアマチュアまでの全てのドライバー・ライダーの安全、チーム、一人ひとりの最高のパフォーマンスを足元から支える。

 

加えて、“新たなプレミアム”である商品設計基盤技術ENLITEN(R)搭載タイヤを中心に、サステナブルなモータースポーツ活動をサポートすることで、カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現も支えていく。

 

ソーラーカーレースでは、2013年からタイトルスポンサーを務める

 

ブリヂストンが2013年からタイトルスポンサーを務め、オーストラリアで開催される世界有数のソーラーカーレース「Bridgestone World Solar Challenge」では、「ENLITEN」を搭載し、再生資源・再生可能資源比率をさらに向上したタイヤを提供します。また一般ドライバーがEV・FCVといったゼロエミッション車のみで参加し電費効率を競うラリー競技「Bridgestone FIA ecoRally Cup」も、引き続きタイトルスポンサーとしてサポートする。

 

さらに本年より新たに女性レーシングドライバー限定のレースシリーズ「KYOJO CUP」のオフィシャルタイヤサプライヤーとしてレースをサポートし、モータースポーツ文化の多様性の実現に向け貢献していく。

 

活動60周年を迎えた2023年を契機にサステナブルなモータースポーツ活動も強化

 

ブリヂストンは、モータースポーツ活動60周年を迎えた2023年を契機に、サステナブルなグローバルモータースポーツ活動を強化している。その一環として、2025年3月1日付にて新たなモータースポーツマネジメント体制を構築し、次のステージへ向けてモータースポーツ活動を経営体制の面からも強化した。

 

同社にとってモータースポーツはタイヤメーカーとしての「原点」であり、「極限への挑戦」であることから、サステナビリティを中核に据え、レースを楽しみ、勝つことにこだわり、「極限へ挑戦」し、イノベーションを加速させていく情熱、さらに仲間と共に持続可能なモビリティ社会を支えていくという情熱を込めた新メッセージ”Passion to Turn the World(R)(世界を変えていく情熱)”を掲げている。

 

このメッセージの下、サステナブルなグローバルモータースポーツ活動を通じて、新たな「自ら極限へ挑戦」する姿を示し、信頼・共感を醸成することで「サステナブルなプレミアム」ブランドの構築へも挑戦していく。

 

また、ブリヂストンはモータースポーツタイヤ開発に於いても、「タイヤは生命を乗せている」を大原則に安心・安全を守り、様々なカテゴリーのレースを通じてタイヤの使用状況やドライバー・ライダーの声に合わせ性能向上を実現したタイヤを供給するなど進化を続けていく。モータースポーツ活動を「走る実験室」として、”From Circuit to Street”をコンセプトに、「極限への挑戦」で磨かれた技術を4輪および2輪の市販タイヤの次のステージへ繫げていく。

 

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こうした取り組みを踏まえてブリヂストンで常務役員モータースポーツ管掌を務める今井弘氏は、「ブリヂストンは、レースを走る実験室として、原材料調達からリサイクルまで、タイヤを創る・使う、原材料に戻すというバリューチェーン全体のサステナブル化をモータースポーツからいち早く推進し、会社全体へ波及させていきます。

 

その実現に向け、これまで培ってきたグローバルのモータースポーツの知見やオペレーションの経験を活かし、次のステージへ新体制でモータースポーツ活動を進化させていきます。

 

ブリヂストンは、サステナブルなグローバルモータースポーツ活動を通じ、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」で掲げるEmotion 心動かすモビリティ体験を支えることにコミットし、これまでも、そしてこれからもモータースポーツに限りなき情熱を注いでいきます。ブリヂストンのモータースポーツ活動についてはこちら( https://ms.bridgestone.co.jp/ )をご参照ください」と結んでいる。

 

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【4輪レース】
1. AUTOBACS SUPER GT
・ 国内で随一の人気を誇るトップカテゴリーレースで、国内外のタイヤメーカーがタイヤを供給しており、タイヤの限界性能を追求する技術の研鑽の場として注力している。
・ 2024年は、GT500クラスでブリヂストンタイヤ装着チームが9年連続でシリーズチャンピオンを獲得した。
・ 2025年は、GT500クラスでは12チーム、GT300クラスでは4チームにタイヤを供給。
・ 本年も引き続き、レースという極限状態で求められるタイヤ性能を高次元で実現することに挑戦する。

 

GT500クラス

 

 

 

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2. ENEOS スーパー耐久シリーズ
・ 国内最大級の参加型モータースポーツとして位置付けている。
・ 2024年よりオフィシャルタイヤサプライヤーとして当該レースを支えており、今年も引き続き「POTENZA RACING TIRE」を供給しレースをサポートしていく。
・ 様々なクラスへのタイヤ供給を通じて、安心・安全で楽しいクルマ文化、モータースポーツ文化の発展に貢献すると共に、ST-Qクラスに於いては、カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現を足元から支えていく。

 

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3. NTT INDYCAR(R) SERIES
・ 北米最高峰のフォーミュラカーレース。
・ 2030年まで当該レースのオフィシャルタイヤサプライヤーとなることを発表。
・ 2000年から始まった「Firestone」ブランドタイヤの独占供給が本年で26年目を迎える。

 

その他の選手

 

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4. INDY NXT by Firestone
・ NTT INDYCAR(R) SERIESの次世代育成カテゴリーにあたるレース。
・ ブリヂストンは1991年から2013年まで「Firestone」ブランドタイヤで当カテゴリーをサポートしてきており、2023年から2030年まで再び当レースのオフィシャルタイヤサプライヤーとなることを発表している。

 

 

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5. Indy Autonomous Challenge (IAC)
・ 北米・欧州で開催される完全自動運転車によるレース。世界中から14の大学、数百名の大学生を中心とする10チームがプログラムしたAIドライバーで参戦している。
・ ブリヂストンは2021年から「Bridgestone」ブランドタイヤを独占供給している。

 

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6. TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup
・ ナンバー付きのレース参戦車両「TOYOTA GR86」と「SUBARU BRZ」で行われる一般社団法人日本自動車連盟(JAF)公認ワンメイクレースで、国内複数のタイヤメーカーがタイヤを供給している。
・ プロドライバーも参戦するプロフェッショナルシリーズにはレースで使用可能な「POTENZA」のタイヤを供給する。

 

 

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7. マツダグラスルーツモータースポーツカテゴリー
・ 多くのマツダ車ファンにモータースポーツの楽しさを体感して貰う場として、2025年も「POTENZA Adrenalin RE004」のタイヤをワンメイクで供給する。
・ また、伝統ある「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」へも引き続き「POTENZA Adrenalin RE004」を提供する。

 

 

 

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8. 全日本ジムカーナ選手権
・ ターンやスラロームを含む舗装路面に設定されたコースを走行しベストタイムを競うモータースポーツで、国内複数のタイヤメーカーがタイヤを供給する。
・ 同選手権では、「POTENZA RE-71RS」、「POTENZA RE-12D TYPE A」および「POTENZA RE-11S」のタイヤを供給する。
・ 2024年は5クラスでブリヂストンタイヤ装着ドライバーがシリーズチャンピオンを獲得した。

 

 

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9. TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge
・ 入門者向けラリーとして日本全国で開催されるラリー競技。
・ 当社は同競技で使用可能タイヤとして認定されている「POTENZA RE461R Kai TYPE A」「POTENZA RE480R」を供給する。

 

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【2輪レース】
1. FIM 世界耐久選手権(EWC)
・ 2輪のロードレースの世界選手権で唯一、複数のタイヤメーカーがタイヤを供給するレース。2025年は昨年から2チームを新たに加え、5チームにタイヤを供給する。
・ 2024年は、ブリヂストンタイヤ装着チームが4年連続、5度目のシリーズチャンピオンを獲得した。
・ 2025年も引き続き、高いグリップと耐久性、ハンドリングのし易さを進化させたタイヤを供給していく。

 

 

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2. FIM世界耐久選手権 鈴鹿8時間耐久ロードレース
・ FIM 世界耐久選手権(EWC)の全4戦のうちの1戦。
・ 2024年はブリヂストンタイヤ装着チームが17大会連続優勝を達成した。
・ 2025年も多くのチームにタイヤを供給し、共に勝利を目指す。サポートチームについては、別途発表を予定している。

 

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3. MFJ全日本ロードレース選手権
・ 2024年は、JSB1000でブリヂストンタイヤ装着ライダーがシリーズチャンピオンを獲得した。2025年もJSB1000の12チーム、J-GP3クラスも含め多くのライダーにタイヤを供給する。
・ ST600クラスには、「BATTLAX RACING R11 (NHS)」のタイヤを供給し、2025年もワンメイクでレースを支える。

 

 

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【サステナブルなモータースポーツ、モータースポーツファンの裾野を広げる活動】
1. Bridgestone World Solar Challenge(BWSC)
・ 太陽光による限られた電力で、オーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまでの約3,000 kmを走破する、世界有数のソーラーカーレース。世界中から大学生を中心とするチームが参戦するこのイベントを、ブリヂストンは2031年までタイトルスポンサーとして支えている。
・ 2023年の前回大会では、目的地に到達する早さを競うチャレンジャークラスと、ソーラーカーのエネルギー効率や実用性を競うクルーザークラスの両クラスで、ブリヂストンのソーラーカー用タイヤを装着したチームが優勝した。
・ 2025年に開催する大会では、「ENLITEN」技術を搭載し、ソーラーカーに求められる低転がり抵抗、耐摩耗性、軽量化や耐パンク性を確保しながら、再生資源・再生可能資源比率(MCN比率)の高い新開発の専用タイヤを投入する。
・ 2025年のサポートチームについては、別途発表を予定している。

 

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2. Bridgestone FIA ecoRally Cup
・ 2023年よりFIAの車両の電費効率を競うラリー競技「ecoRally Cup(エコラリーカップ)」をタイトルスポンサーとしてサポートしている。
・ 「ecoRally Cup」は1大会当たり300~800kmの距離を2-4日かけて走破する大会で、1日毎に3-4カ所のチェックポイントを設け、設定された区間タイムにどれだけ近づけたか、また規定内のエネルギー量をどれだけ効率的に使用できたかを競う。一般公道を使用し、一般販売され且つ一切の改造が禁止されたゼロエミッション車(BEV、FCV)のみが参加可能。
・ 2025年は12か国、14回の開催を予定している。
・ 「Bridgestone FIA ecoRally Cup」では、大会を通じて省エネルギーなどの環境課題に応えると共に、環境課題に対するドライバーや大会関係者の積極的な行動を促していく。

 

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3. KYOJO CUP
・ 本年より新たに女性限定のレースシリーズ 「KYOJO CUP」のオフィシャルタイヤサプライヤーとして、開幕戦よりレースと20名のドライバーをサポートする。
・ 女性ドライバーレースのサポートを通じて、日本のモータースポーツ文化の更なる発展に貢献していく。

 

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4. POTENZA Circuit Challenge (PCC)
・ 初めてサーキットを走る初心者の方にプロドライバーからレッスンを受けながらサーキットで走ることの楽しさを感じてもらうことを目指した、参加型走行イベント。本年は全4回開催予定。

 

 

・ 初中級者向けのイベント「POTENZA Circuit Meeting」も引き続き開催する。
・ モータースポーツの魅力や楽しさを広く伝え、モータースポーツファンの裾野を広げていく。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。