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2020年12月16日【SDGs】

ボッシュ、2024年から商用燃料電池の本格生産を開始

NEXT MOBILITY編集部

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ボッシュは12月7日、2024年に固体酸化物形燃料電池(SOFC)技術をベースとする分散型電源の本格稼働生産開始を視野に入れ、Ceres Power社との連携強化に合意したことを発表した。

 

SOFCシステムについて、ボッシュは約40万人分の家庭での消費電力をまかなうのに十分な量である、年間約200メガワットの生産を目指している。

ボッシュ・ロゴ

■2024年までに数億ユーロの投資を計画

ボッシュでは、バンベルク、ヴェルナウ、ホンブルクにある同社の製造拠点に加えて、シュトゥットガルト-フォイヤバッハおよびレニンゲンの開発拠点も活用し、商用・産業用燃料電池システムの生産計画のもと、2024年までに数億ユーロの投資を予定している。

 

SOFC技術の用途例としては、都市、工場、通商貿易、データセンター、電気自動車の充電インフラで使用可能な、ネットワーク化に対応した小型の分散型電源があり、ボッシュは、2030年までに分散型電源の市場規模は200億ユーロに達すると予想する。現在、昨年比150名増の合計250名以上のボッシュ従業員が、将来有望なこの新しい事業に取り組んでいる。

 

 

ボッシュ取締役会メンバーのクリスチアン・フィッシャーは次のように述べている。「当社では、高エネルギー効率の固体酸化物形燃料電池は、持続可能なエネルギーを供給するために必要不可欠であると考えています。この実現に向け、ボッシュの複数の部門から専門知識を備えた人材を確保しています」商用・産業用燃料電池システムにより、ボッシュは開発、製造、営業、サービスをワンストップで提供する新しい事業分野を確立。パートナーであるCeres Power社と共に、本格生産という次の重要な段階に向けて動き始めているという。

 

 

■ボッシュはCeres Power社との連携を強化

2018年8月から、ボッシュとCeres Power社は、燃料電池と燃料電池スタック開発の分野における協働で成功を収めている。2019年秋には、ボッシュは早くもドイツ初の燃料電池システムのプロトタイプの生産を開始し、2020年1月に、ボッシュは英国企業であるCeres Power社の株式の約18%を取得した。

 

今回の合意書では、2024年の本格生産に向けた段階にまで範囲を拡大し、ボッシュがCeres Power社の技術を今後どのように活用するかまでも定義している。

 

「当社の重要なパートナーであるボッシュとの協働において、このマイルストーンに到達したことを誇りに思います。Ceres社の革新的な技術とボッシュの生産技術を組み合わせることで、エネルギー転換という地球規模の課題を克服するための先駆的な商用・産業用燃料電池システムの開発に至りました。今後も継続してボッシュと緊密に連携を図っていきます」 と、Ceres Power社のCEOであるPhil Caldwell氏は述べる。

 

■SOFCシステムはすでに水素に対応

Ceres Power社は、革新的な固体酸化物形燃料電池およびスタックの開発で業界をリードしている。ボッシュはCeres Power社から広範囲な技術ライセンスを取得し、2019年以降、燃料電池とスタックを内製。固体酸化物形燃料電池をベースとしたパイロットプラントは、すでにボッシュの複数拠点で試験に成功している。SOFCシステムは、エコフレンドリーなバイオガスや天然ガスを使用して運用され、未来のエネルギーシステムに向けて水素にもすでに対応している。

 

エネルギー需要量が多い都市や広域都市圏では、SOFCシステムにより持続可能な電力供給を確保でき、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)、CO2の排出量もゼロにすることができる。SOFCの総合エネルギー効率は、85%超と他のエネルギー変換器を圧倒する。

 

ボッシュのSOFCプロジェクトを統括するWilfried Kölscheidは、「将来的にはエネルギー供給の必要要件に応じて、出力が同じ任意の数のプラントを相互接続できるようになります。この相互接続により、連携して動作する仮想発電所が実現し、必要な場所に必要な量の電気を供給できるようになります」と語っている。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。