「MiCa(ミカ)」は施設コンセプトの先端産業=青と文化産業=赤紫の融合をイメージ
羽田みらい開発とソフトバンク傘下BOLDLY(ボードリー)は12月25日、羽田空港(東京国際空港)に隣接した大規模複合施設「エイチ・アイ・シティ」(HICity/HANEDA INNOVATION CITY®)で、同日から自動運転EV「MiCa(ミカ)」1台の通年運行を開始する。
これにより、2020年9月にエイチ・アイ・シティ内で運行している「ARMA(同車は、2024年1月10日から3月31日まで別ルートの羽田空港第3ターミナルで公道実証中。2024年4月以降は、エイチ・アイ・シティ内運行を再開する)」と合わせて2車種の自動運転EVが、羽田空港の関連施設での運行を拡大させていく。
運行ルート
より具体的に「MiCa」の方は、エイチ・アイ・シティ内の1周約1.2kmのルートを運行し(計12便/日)、エイチ・アイ・シティで働く人や来訪者の移動手段として活用される。時間にして1周約8分程度の運行ルート上には、エイチ・アイ・シティの玄関口となる天空橋駅付近にアクセスしやすいバス停として「ZONE B」を新設し、計3カ所のバス停を設けて運行。
別ルートの羽田空港第3ターミナルで公道実証両も行う「ARMA」
対して「ARMA」は、先の通り2024年1月10日から3月31日までは、別ルートの羽田空港第3ターミナル内に於いて(エイチ・アイ・シティのバスターミナルから、羽田空港の第3ターミナルを結ぶルート)、長期の公道実証を行う。加えて2024年4月以降は、「ARMA」を用いたエイチ・アイ・シティ内運行も再開される予定だ。
なお2台の自動運転EV「ARMA」と「MiCa」の違いは、「MiCa」の方は自動運転レベル4での走行を見据えて障害物回避機能を搭載している部分にあり、「MiCa」はルート上に駐車車両などの障害物があった場合には、一定の範囲内で障害物を自動で避けて走行することができる。
ちなみにソフトバンク傘下のBOLDLYは、国内唯一の「MiCa」の販売代理店として「MiCa」を販売する他、〝運行などに関する企画立案〟、〝車両の走行設定〟、自らが開発・提供している〝運行管理システム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を用いた運行体制の構築〟などを行い、ここの数年間に亘って自動運転EVの運用実績を磨いてきた。
その実績を踏まえて羽田みらい開発とBOLDLYは、先の2020年9月18日にエイチ・アイ・シティ内で、自動運転車両を遠隔地で管理・監視できる「Dispatcher」を活用。国内で初めて自動運転バス「ARMA」を用いた通年運行を実現させた。
結果、両社は同運行により、これまでに1万2,000便以上を運行。自動運転バスの乗車人数として国内最多となる6万3,000人以上の乗車実績を重ねている。
これらを前提に両社は今回、エイチ・アイ・シティ内で新たな「MiCa」を用いた通年運行を開始。羽田空港を含むルートでの自動運転レベル4の運行を目指す構えだ。
運行ダイヤ
「MiCa」/HICity内ルート
HICity内ルート
羽田空港第3ターミナルルート
「エイチ・アイ・シティ」を走行するMiCaの運行概要
・運行期間:2023年12月25日(月)から通年運行(年末年始を除く)
・乗車定員:8人 ※オペレーターを含む
・車両:MiCa(エストニアAuve Tech社製)
・速度:時速20km未満
・運 賃:無料