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2023年12月1日【MaaS】

BIPROGY、MaaSを介してオーバーツーリズムの解決を目指す

坂上 賢治

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産官学の共創事業体「チャレンジ白馬」へ「HAKUBA DO」を提供

 

BIPROGY(旧社名:日本ユニシス)は、MaaS実証を中核に長野県白馬村で行われる産官学の共創事業体「チャレンジ白馬(PDF/516KB)」で、12月18日から住民・観光客向けプラットフォームアプリ「HAKUBA DO(ハクバ ドゥ)」の提供を開始すると発表した。

 

この「HAKUBA DO」は、村内の飲食施設の予約に加え、AIオンデマンド交通サービスと連携した店舗への送客サービス「白馬ナイトデマンドタクシー」の予約を行うためのもの。

 

 

一方、このサービスは、マイナンバーカードとの連携により住民向け乗り放題サブスク型プランの提供として実施できるようにして、住民と観光客のそれぞれが利用しやすい料金体系を両立させることができるともいう。

 

結果、タクシー不足の解消と共に白馬村内の回遊促進と産業振興も推進させることができるとBIPROGYでは説明している。そんなHAKUBA DOという名称は、武道にも使われ外国人にも人気の漢字である「道」をイメージし、信州大学の学生と一緒に議論し考案した。

 

 

オーバーツーリズムを解決し、観光客と地域住民の満足度向上を目指す

 

その名称が表す意味には、「白馬の道」と「白馬を楽しむ心」の2つの意味を込めている。より具体的には、飲食や買い物などの目的と併せた交通サービスに発展させることで、白馬村内の回遊促進・産業振興を推進し、住民と観光客それぞれが利用しやすいサービスと料金体系の両立を目指すとしている、また次年度以降は、新しい住民向け交通サービスへの展開も予定しているという。

 

ちなみに長野県白馬村が、同サービスの実証に踏み切った理由は、国内外からの観光客の急激な増加により、交通機関の混雑やタクシー不足、宿泊施設・飲食店の容量不足、自然や住民の生活環境への影響など、オーバーツーリズムが問題となってきたため。

 

そこで長野県白馬村ではこれらの課題解決に向けて、2021年から、BIPROGYと共に地域の交通事業者を含む複数の事業連携体「チャレンジ白馬」として取り組みを開始し、産官学の共創を行ってきた。

 

実際、2022年に実施したMaaSプロジェクト「白馬ナイトデマンドタクシー」では、期間中の乗車累計数がコロナ禍前の水準を超える12,000人になるなど、想定を上回る成果を達成している。

 

 

その具体的なサービス内容は以下の(1)と(2)通り

 

(1)住民・観光客それぞれに適した料金体系でのAIオンデマンド交通サービス提供
マイナンバーカードとの連携により、住民は期間中サブスクの乗り放題プランが利用できる。配車と運行では、AIオンデマンド交通サービスによる最適なルートで計画・実施される。従って利用者は、相乗りによる混雑や、タクシー待ちから解放され、対して交通事業者はドライバーの負荷やコスト、CO2排出量の削減が可能となる。

 

(2)飲食店の予約サービスと小売店との連携による、地域内の人の移動と消費の同時喚起
飲食などの目的から検索し、目的地までの交通予約と飲食店の事前予約を実現させる。予約手配では、特定の飲食店や時間帯に集中しやすい観光客を分散化でき、予約手配などによる業務負荷も軽減できる。また交通と飲食予約、買い物情報を併せて提供することで、外出機会を創出し、地域内での移動と消費を同時に喚起させることもできるようになる。

 

BIPROGYでは、「今後も当社は、地域交通事業者などとの共創によって地域経済の振興を目指す地域活性化DXサービス〝L-PASS〟を通じて、地域経済の活性化や観光地が抱えるオーバーツーリズムなどの課題解決を支援します。

 

加えて今後は、自治体や民間事業者一者が仕組みを提供するのではなく、地域全体であらゆるプレイヤーが参加できるプラットフォームを構築することで、社会的価値と経済的価値の両立で社会課題解決を実現する、持続的な地域エコシステムの創出を目指し、最適な共創モデルの構築を目指していきます」と話している。

 

 

白馬ナイトデマンドタクシー(HND)の運行
運行期間:2023年12月18日(月)~2024年2月29 日(木)
運行時間:17:00 ~ 23:00
運  賃:500円/回、白馬村住民のサブスクモデルは3,000円/期間中
連携店舗:30店舗

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。