産官学の共創事業体「チャレンジ白馬」へ「HAKUBA DO」を提供
BIPROGY(旧社名:日本ユニシス)は、MaaS実証を中核に長野県白馬村で行われる産官学の共創事業体「チャレンジ白馬(PDF/516KB)」で、12月18日から住民・観光客向けプラットフォームアプリ「HAKUBA DO(ハクバ ドゥ)」の提供を開始すると発表した。
この「HAKUBA DO」は、村内の飲食施設の予約に加え、AIオンデマンド交通サービスと連携した店舗への送客サービス「白馬ナイトデマンドタクシー」の予約を行うためのもの。
一方、このサービスは、マイナンバーカードとの連携により住民向け乗り放題サブスク型プランの提供として実施できるようにして、住民と観光客のそれぞれが利用しやすい料金体系を両立させることができるともいう。
結果、タクシー不足の解消と共に白馬村内の回遊促進と産業振興も推進させることができるとBIPROGYでは説明している。そんなHAKUBA DOという名称は、武道にも使われ外国人にも人気の漢字である「道」をイメージし、信州大学の学生と一緒に議論し考案した。
オーバーツーリズムを解決し、観光客と地域住民の満足度向上を目指す
その名称が表す意味には、「白馬の道」と「白馬を楽しむ心」の2つの意味を込めている。より具体的には、飲食や買い物などの目的と併せた交通サービスに発展させることで、白馬村内の回遊促進・産業振興を推進し、住民と観光客それぞれが利用しやすいサービスと料金体系の両立を目指すとしている、また次年度以降は、新しい住民向け交通サービスへの展開も予定しているという。
ちなみに長野県白馬村が、同サービスの実証に踏み切った理由は、国内外からの観光客の急激な増加により、交通機関の混雑やタクシー不足、宿泊施設・飲食店の容量不足、自然や住民の生活環境への影響など、オーバーツーリズムが問題となってきたため。
そこで長野県白馬村ではこれらの課題解決に向けて、2021年から、BIPROGYと共に地域の交通事業者を含む複数の事業連携体「チャレンジ白馬」として取り組みを開始し、産官学の共創を行ってきた。
実際、2022年に実施したMaaSプロジェクト「白馬ナイトデマンドタクシー」では、期間中の乗車累計数がコロナ禍前の水準を超える12,000人になるなど、想定を上回る成果を達成している。
その具体的なサービス内容は以下の(1)と(2)通り
(1)住民・観光客それぞれに適した料金体系でのAIオンデマンド交通サービス提供
マイナンバーカードとの連携により、住民は期間中サブスクの乗り放題プランが利用できる。配車と運行では、AIオンデマンド交通サービスによる最適なルートで計画・実施される。従って利用者は、相乗りによる混雑や、タクシー待ちから解放され、対して交通事業者はドライバーの負荷やコスト、CO2排出量の削減が可能となる。
(2)飲食店の予約サービスと小売店との連携による、地域内の人の移動と消費の同時喚起
飲食などの目的から検索し、目的地までの交通予約と飲食店の事前予約を実現させる。予約手配では、特定の飲食店や時間帯に集中しやすい観光客を分散化でき、予約手配などによる業務負荷も軽減できる。また交通と飲食予約、買い物情報を併せて提供することで、外出機会を創出し、地域内での移動と消費を同時に喚起させることもできるようになる。
BIPROGYでは、「今後も当社は、地域交通事業者などとの共創によって地域経済の振興を目指す地域活性化DXサービス〝L-PASS〟を通じて、地域経済の活性化や観光地が抱えるオーバーツーリズムなどの課題解決を支援します。
加えて今後は、自治体や民間事業者一者が仕組みを提供するのではなく、地域全体であらゆるプレイヤーが参加できるプラットフォームを構築することで、社会的価値と経済的価値の両立で社会課題解決を実現する、持続的な地域エコシステムの創出を目指し、最適な共創モデルの構築を目指していきます」と話している。
白馬ナイトデマンドタクシー(HND)の運行
運行期間:2023年12月18日(月)~2024年2月29 日(木)
運行時間:17:00 ~ 23:00
運 賃:500円/回、白馬村住民のサブスクモデルは3,000円/期間中
連携店舗:30店舗