<「品川開発プロジェクト」イメージ>
東日本旅客鉄道(以下 JR東日本)とKDDIは12月15日、分散型まちづくり「空間自在プロジェクト」の実現に向け、2020年12月14日に基本合意書を締結したことを発表した。
「空間自在プロジェクト」とは、ポストコロナ社会を見据え、人・機能がともに都心に集中した従来の拠点集約型の都市づくりから、交通と通信の融合により、場所や時間に捉われない多様な働き方やくらしを創出することを目的とするもの。
※「空間自在」は商標登録出願中。
今後両社は、プロジェクトに基づくまちづくりのコアシティとなる品川開発プロジェクトの共同推進、分散拠点としてのサテライトシティ(日本各地)の開発、コアシティとその周辺におけるモビリティサービスの開発を検討し、共同事業化を目指していく。
■分散型まちづくりの実現に向けた取り組み
1.コアシティ「品川開発プロジェクト」の共同推進
「空間自在プロジェクト」における都市部のモデル地域として、品川開発プロジェクトを共同で推進する。品川開発プロジェクトは、JR東日本が「100年先を見据えた心豊かなくらしづくり」を目指し、2024年度頃のまちびらきに向けて推進している事業。5Gを前提とした最先端の通信インフラとサービスプラットフォーム(都市OS)を両社で構築することにより、働く人・住む人・訪れる人のくらしと都市機能が連携し、アップデートし続けるまちづくりを目指す。また、警備・清掃・物流・駐車場・防災などの都市機能に必要なネットワーク・インフラサービスの提供を検討する。
<「品川開発プロジェクト」イメージ>
2.サテライトシティ(日本各地)の開発
「空間自在プロジェクト」における分散拠点として、都市周辺や日本各地にサテライトシティと分散型ワークプレイスを開発し、交通・通信・街が一体となったサービスを検討していく。
– 実証実験の実施
2021年春以降に、東京と神奈川・埼玉・千葉エリアを対象として、多拠点とつながる分散型ワークプレイスのトライアル拠点を開設し、実証実験を順次実施。また、移動中においても効率的に働ける環境づくりを目指し、新幹線車両の一部でリモートワーク推奨車両の実証実験を実施する。
<分散型ワークプレイスイメージ>
・分散型ワークプレイス実証実験
各拠点間は高品質な専用ネットワークで接続されるだけでなく、どの拠点でも社内オフィスと同様の環境で働けるように、セキュアなIT環境を整備。さらに、複数の企業間や本社と分散型ワークプレイスなどの異なる拠点で円滑な意思疎通を可能にする分散仮想プロジェクトルームによる利用者ニーズの把握を行う。
・新幹線ワークプレイス実証実験
新幹線車両の一部をリモートワーク推奨車両として、個別の通信回線を提供し、働く機能としての利用者ニーズの把握を行う。
– 「空間自在コンソーシアム」の創設
「空間自在プロジェクト」の実現に向け、企業、自治体、スタートアップ、ユーザー企業などのパートナーが集まり、リアルとバーチャルの融合によって新しい価値や文化を一緒に創出する「空間自在コンソーシアム」を創設する。
第1弾として、コロナ禍の在宅ワークで浮き彫りとなった法人の顧客の働き方に関する課題解決を図るべく、ワークプレイスコミュニティ活動を開始する。2021年春開設予定の分散型ワークプレイスにて、働く環境整備に悩みを持つ法人の顧客や、ワークプレイスの提供サービスにノウハウを持つ事業者と共に、働き方改革に関する情報提供や意見交換会、参画企業共同での実証実験など、分散社会における新しい働き方を推進していく。
<空間自在コンソーシアムイメージ>
3.モビリティサービスの開発
品川開発プロジェクトにおいて、街区内の移動をサポートするパーソナルモビリティや荷物自動配送ロボットなどのモビリティサービスの開発、実装を目指す。また、高輪ゲートウェイ駅から周辺エリアを結ぶ、ラストワンマイルモビリティサービスの提供を検討する。