開催7回目を迎えた今回も〝成熟した自動車文化の創成〟がコンセプト
成熟した自動車文化の創成をコンセプトにした展示会「オートモビルカウンシル(AUTOMOBILE COUNCIL)2022」が4月15日から17日の3日間、千葉市の幕張メッセで開催された。会場には過去から現在、そして未来へとつながるクルマが数多く展示され、多数の来場者で賑わっていた。(佃モビリティ総研・松下次男)
今回の展示会にはメーカー・インポーター7社が出展したほか、ヘリテージカー販売店が昨年の17社から6社増え23社参加した。
目玉の特別展示では、日産が2022年東京オートサロンに参考出展した「フェアレディ Z」プロトタイプをはじめとしたフェアレディの系譜、ホンダがレッドブルレーシングホンダの2021年トルコGP(グランプリ―)・スペシャルカラーを出展した。
同レース車両は当初、日本GP用に用意していたが、日本GPが中止となったため、一度は棚上げに。しかし、日本のファンに向けて「ありがとう」を伝えたいという思いからトルコGPで結実し、決勝レースでダブル表彰台を獲得したマシーン。
また、今年の展示会では世界の自動車産業が変革期を迎えているのに合わせバッテリー電気自動車(BEV)を紹介する「新世代自動車ゾーン」を新設。ドイツ・ポルシェ、韓国・現代自動車(ヒュンデ)のインポーターが最新のEVを展示した。
マツダは菅生のスーパー耐久レースから参戦とスペシャルトークショーを開催
さらにスペシャルトークショーでは、マツダが新たに「倶楽部マツダ・スピリット・レーシング」を開始することを発表。2021年11月に立ち上げたレーシングチーム「マツダ・スピリット・レーシング」に係るアパレルなどのグッズ類の販売や多様な活動を進めていくことを表明した。
また、会場で初公開した「マツダ・スピリット・レーシング・ロードスター」を夏に開催されるスポーツランド菅生のスーパー耐久シリーズからレース参戦することを明らかにしたほか、レースを通じてバイオフューエルなどのカーボンニュートラル燃料にもトヨタやスバルとともに力を入れていると紹介した。
オートモビルカウンシルは2016年に「わが国に成熟した自動車文化を創成する」というコンセプトのもとに誕生し、今回が7回目。主催はオートモビルカウンシル実行委員会。
主催者は、日本の自動車文化、日本独自のカーライフを創造し、その魅力を世界に向けて発信したいと考えていると表明するとともに、個別のメーカーやインポーター、中古車、修理会社などの垣根を越えて、自動車(ヘリテージカー)の様々な愛好家とともに、チームジャパンとして横断的に手を携え、日本の自動車の歴史に市民権を与えようと訴える。
開催区画はホール10・11、合計110台の旧車と最新モデルを披露
今回の出展者は76社・団体。メーカー・インポーター、ヘリテージ販売店のほか、スポンサー展示、サプライヤー、プレミアムライフスタイル、アートギャラリー、SUVアンドギアー、自動車関連商品販売店、オーナーズクラブなどが出展、展示した。
ヘリテージ販売店から1900年代前半の懐かしいクルマも数多く出展され、きっちりと整備された車両には販売済みのシールも。
また、プレミアムスタイルからは東和不動産(4月27日からトヨタ不動産に社名変更)が先に発表した「富士モータースポーツフォレスト」取り組みをレース車両と並んでパネル展示した。
主催者テーマ展示では、「究極のツーリングカー/DTM(ドイツツーリング選手権)マシーンの魅力」「スーパーカードリーム」と銘打って、ワークスマシーンの魅力や様々なスーパーカーが紹介された。
このほか、会場ではクラシックやジャズをはじめとした音楽プログラムの実演やアート作品などの文化的要素も盛り込まれ、クルマ文化の成熟に色添えていた。