オートバックスセブンは10月14日、摂南大学経営学部経営学科の塚田義典准教授、エー・ディー・イー、社会福祉法人 太陽の家と共同し、AI開発の機械学習に関する業務によって、障がいのある人々の就労支援を目指す共同研究を開始すると発表した。
昨今、AIやロボティクス技術の発展に伴う形式的作業の自動化が急速に進むことなどから、障がいのある人々のできる仕事の選択肢が縮小し、業務領域の先細りなど働く機会損失につながる懸念がある。また、仕事内容の不適合や、作業、能率面で適応できないなどの理由から障がい者の職場定着率が低いことも課題となっている。
これらの諸問題を解決すべく、今回、オートバックスセブンおよび、摂南大学、エー・ディー・イー、太陽の家が連携し、今後ますます需要が見込まれるAI開発における機械学習を、障がいのある人々に担ってもらえるようなプラットフォームと運用モデルの構築を目指し、その取り組みを開始する。
なお、このアイデアの原案は、2020年2月「大学 SDGs ACTION! AWARDS 2020」で塚田准教授ゼミ生が発表し、ファイナリスト賞を受賞したもので5年以内の実用化を目指している。
■取組内容
1)入力デバイスの活用や開発
AIはアルゴリズムに教師データ(機械学習)を与えて学習させることで、実用に供する性能を得る。教師データは、近年、アプリケーションにより、整備や更新をすることができるが、障害のある人にとっては操作性の問題から通常のアプリケーションでは対応できるものがないことから、多様な特性に対応した入力デバイスの活用や開発を行う。
多様な特性に対応した入力デバイス例:フットスイッチや、ジョイスティック、マウススティック(口にマウスピースをくわえて操作する特殊マウス)、視線観測装置など
2)AI教師データの作成支援システムを構築
多様な特性を持つ障がいのある人でも利用可能な、アクセシビリティの高いAI教師データの作成支援システムを構築することで、就労を希望する障がいのある人が安心して働くことのできる具体的な運用方法を考案する。
3)AIマシーンラーニングセンター
エー・ディー・イーと太陽の家が連携し、AI構築に必要な教師データの入力を専門に業務支援する「AIマシーンラーニングセンター」を設置し、障がいのある人による業務を実践。これにより、AIの教師データ作成作業に新しい意義と価値を見出し、誰でも時間と場所にとらわれずに働きやすい環境を構築し、SDGsの目標達成に貢献する。