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2022年4月28日【SDGs】

アウディ、SDGs活動で岡山県真庭市を訪問

坂上 賢治

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SDGs未来都市で「ゼロカーボンシティ」の先駆け岡山県真庭市をe-tronで巡る

 

アウディジャパンのマティアス・シェーパース氏(ブランドディレクタ—)は、西日本に於けるSDGsの代表地域で、ゼロカーボンシティの先駆けとなっている岡山県真庭市を4月13日から2日間の日程で訪問。持続可能な社会を目指すこの地域をe-tronで巡る企業レポートを4月28日に公開した。( 坂上 賢治 )

 

同訪問に係る一連のレポートは、同社が「アウディ・サステナブル・フューチャーツアー(Audi Sustainable Future Tour)」と銘打ち、CO2の排出や地球温暖化など、持続可能な社会実現の重要性について、個々人が考える場を作るためのイベントだ。

 

 

それは目下、自社グループが設置拡大中の〝EVデスティネーションチャージャー(急速充電器)〟を各地域へ寄贈して巡るという単純なキャンペーンに留まらず、アウディ自らのブランドビジョン「Future is an Attitude(未来は 考え方ひとつ)」を介してコンシューマー層へ様々なSDGs的な考え方の切り口を提供していこうとするもの。今後もアウディブランドとして継続実施していくイベントになるという。

 

岡山桃太郎空港を起点に真庭市勝山にある〝御前酒蔵元辻本店〟へ訪問

 

その初日は岡山桃太郎空港が起点。真庭市勝山にある〝御前酒蔵元辻本店〟が、ライフスタイル発信の場として運営する西蔵を訪れた。そこで同拠点の七代目蔵元を務める辻 総一郎氏から、昔ながらの技法を用い地元米だけを使う日本酒造りを聞いた。

 

またここでは更に若い世代が中心となって、近隣の多様な企業とアイディアを募って作り上げた〝紅こうじ米酢〟を製造していく事になった経緯など、地域一丸で様々な地域活性化に取り組む様子も学んだ。

 

 

ツアーは御前酒蔵元辻本店を経て、次に〝真庭市役所〟を訪れて太田昇市長を表敬訪問した。その理由は、同地域がゼロカーボンシティの先駆けとなった切っ掛けや、実際の取組について聞くため。ここでは、そうした取り組みのひとつである市役所・施設内に置かれたバイオマス・ボイラーを見学した。

 

 

真庭市役所の太田昇市長を表敬訪問した後、〝真庭バイオマス発電所〟へ

 

このバイオマス・ボイラーは、市内で採取される木材チップを用いて市庁舎を快適にするべく熱循環システムが構築されている。ここでは、その仕組みの説明を受けつつ、バイオマス発電所で作られた電気を介したe-tronへの充電を経験した。

 

満充電となったe-tronで真庭市役所を出発した後は、大規模なバイオマス発電によって稼働中の〝真庭バイオマス発電所〟を訪問。同施設では、山林の間伐材や製材所から排出される端材を事業者から買い付け、施設の集積所で木質チップ化した後バイオマス発電に活用する様子を見学した。

 

 

当地ではバイオマス活用を介して、化石燃料代替量が増えてエネルギー自給率が向上するという単純な利益だけではなく、二酸化炭素排出量の抑制、更に新たな地域雇用の拡大に繫がるなど、持続可能な社会の実現にも役立っている事を確認した。

 

実際、当地では木質バイオマス発電で作られた電力が街づくりの中心となっており、地元の木材資源を最大限に活用する地域循環型経済の確立と、ゼロカーボン・シティの確立を目標に据えているという。

 

 

2日目は観光施設〝グリーナブルヒルゼン〟で未来共創ミーティングを開催

 

明けて2日目は、蒜山の豊かな自然の中で、サステイナブルの価値を体験出来る観光施設〝グリーナブルヒルゼン(Greenable HIRUZEN)〟で未来共創ミーティングを開催した。

 

ここでは、前日に対面した真庭市長の太田昇氏を筆頭に、SDGsで地域・世界貢献を目指す岡山大学工学部学術研究院自然科学学域の河原伸幸教授、同大学院生の藤田友輝さん、今村 陽子さん、兼信 みのりさん、有森 匠さんに、アウディジャパンのマティアス・シェーパース氏が加わり、それぞれが今後2030年迄に目指すテーマや、クリーンエネルギーの普及に係る多彩な意見を交換した。

 

 

なおこの共創ミーティングの終盤には、アウディ ジャパンから目的地充電の設備として使用できるデスティネーション・チャージャーを岡山県真庭市に寄贈した。寄贈したデスティネーション・チャージャーは蒜山に訪れる電気自動車を迎え、バイオマス発電で作られた電気が提供される事になる。

 

ツアーの最後は〝真庭あぐりガーデン〟で同施設のゼネラルマネージャー三村伸行氏から、生ごみを液肥やバイオガスに再資源化して安心・安全な野菜作りに活かす取り組み。地域が一体となる事で達成される地域雇用の促進などを聞いて締め括られた。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。