独・アウディAG、蘭・エアバス、伊・イタルデザインの3社は、11月27日、オランダ・アムステルダムで開催されているドローンウィーク(現地11月26日〜11月30日)で、フライングタクシー(空飛ぶタクシー)用の空飛ぶ自動車「Pop.Up Next(ポップアップ・ネクスト)を想定したスケールモデルを披露した。
これは、自動運転機能を備えたEVと
パッセンジャー(乗員用)ドローンを組み合わせたもの。
1/4スケールモデルを使用した公開テストでは、利用客が乗車するパッセンジャーカプセルを搭載したフライトモジュールが、地上に置かれたグラウンド(地上)モジュール上に正確に着地。
その後、パッセンジャーカプセルをグラウンドモジュールに連結し、自動運転によってテスト会場から走り去るといったデモンストレーションを披露した。
道路と空中を利用するこのサービスについて3社は、大都市での便利で効率的な移動の提供するものとする。
早ければ10年以内の実用化を目指しておリ、実現すれば、利用客は飛行機と車両の間を乗り換えせずに、レジャーを楽しんだり、車内でリラックスしたり、仕事をしたりすることができる。
また、このようなオンデマンドサービスを検証するため、アウディでは現在、エアバスの子会社であるブーム(Voom)と協力し、南米で試験運用を実施中。
試験運用は、利用客がメキシコシティまたはサンパウロでヘリコプター便を予約すると、アウディが着陸地点から、あるいは着陸地点までの移動手段を手配するといったもの。
さらにアウディでは、本拠地であるドイツ・インゴルシュタットにおいて、アーバンエアモビリティ フライングタクシープロジェクトと呼ばれるイニシアチブを支援しており、同地でのフライングタクシーの試験運用を行う準備も行っているという。
このプロジェクトは、EU(欧州連合)が推進するスマートシティ及びコミュニティ政策において、ヨーロピアンイノベーションパートナーシップと呼ばれるイニシアチブを市場へと導入する取り組みの一環として行われているもの。
このプロジェクトにより、同社は新しいテクノロジーの利点に対する理解を広く一般に広め、バッテリー技術、規制、認証、インフラストラクチャーに関する疑問に答えていくことを目的としている。
アウディAG 調達及びIT担当取締役 兼 子会社のイタルデザイン社長 Dr. ベルント マルテンス氏のコメント
「このようなサービスは、お客様のニーズをより良く理解するのに役立ちます。将来的にフライングタクシーは、数多くの都市生活者にとって魅力的な移動手段となるでしょう。アウディは、「Pop.Up Next」によって、技術的に何ができるのかを模索しています。次のステップは、実物大のプロトタイプを飛行及び走行させることです」