国土交通省 九州地方整備局と西日本高速道路(NEXCO西日本)は、8月17日、訪日外国人観光客のレンタカー利用者を対象としたピンポイント事故対策として、大分自動車道での実験結果を踏まえ、外国語の注意喚起看板を本設置することを発表した。
国交省では、平成29年度から外国人によるレンタカー利用の多い空港を中心とする地域で、急増する訪日外国人観光客のレンタカー利用による事故を防止するため、ETC2.0等の急ブレーキデータを活用して事故危険箇所を特定し、ピンポイント事故対策を講じている。
九州地方整備局は、地域道路経済戦略研究会九州地方研究会で、平成29年度に大分自動車道でのピンポイント事故対策の実験を実施。
その結果、速度低下や急ブレーキの減少が確認されたことから、外国語の注意喚起看板の本設置を行うこととした。
[看板設置への経緯]
国交省は、訪日外国人のレンタカー利用の多い空港として、平成29年9月に、新千歳空港、中部国際空港、関西国際空港、福岡空港、那覇空港を選定。
その内、福岡空港について、空港周辺から出発する外国人観光客レンタカーの急ブレーキデータ等を取得・分析し、外国人特有の事故危険箇所として、以下の2区間を特定した。
①日田IC~天瀬高塚IC(福岡方面)本線部
下り勾配が続くカーブ区間に十分に減速しないまま進入して急ブレーキが発生。
②玖珠SA(大分方面)入口部
SA入口部手前の見通しの悪い左カーブ区間に十分に減速しないまま進入して急ブレーキが発生。
また、外国人レンタカー利用者の国籍として、最も利用が多いのが韓国(64%)、次いで中国語(繁体)圏の香港及び台湾等(23%)ということがわかった。
以上を受けて国交省は、平成29年12月から、上記2箇所の急ブレーキ多発区間に、韓国語と中国語の簡易情報板を各2基設置。また、レンタカー貸出時に外国人の立ち寄りの多いサービスエリアでチラシを配布し、注意を喚起。
この対策実施により速度低下や急ブレーキの減少が確認できたとして、本設置を決定した。
[外国語の注意喚起看板設置概要]
設置箇所:大分自動車道(平成29年度実験における設置箇所)
日田インターチェンジ(IC)~天瀬高塚IC(福岡方面)本線部
玖珠サービスエリア(SA)(大分方面)入口部
標示言語:韓国語、中国語(繁体)
設置基数:各箇所2基(言語ごとに1基)
設置時期:9月中旬予定