26日、江東区の東京オリンピック・パラリンピック推進本部で、交通輸送技術検討会(座長・家田仁政策研究大学院大学教授)が開催された。検討会は、大会期間中に首都高速を利用するマイカーの通行料金を一律1000円値上げすることで、選手や競技関係者の移動を円滑にする提案を支持した。
期間中、東京都内を通行する車両は、通過車両も含めて一律1000円を上乗せして料金を支払う。対象は自家用貨物を除く白ナンバーに限定する。料金が値上げされるのは朝6時~22時まで。以下に挙げる事業用車両を除き、ETC/現金、両方の利用で一律に値上げする。選手村から開催地までの関係者の移動を円滑にするのが目的。
また、交通量を夜間にシフトさせるため深夜0時~4時までの間、首都高速全線で夜間割引を実施する。割引対象となる車両は、白ナンバーを含む全車種。障害者、福祉車両は事前の事前に登録することで、従来の通行料金で通行できる。
検討会の内容を説明する東京オリパラ組織委員会と東京都オリパラ準備局(26日・江東区/撮影:中島みなみ)
1000円を上乗せする期間は、オリンピック開会式前の7月20日~23日と、オリンピック開会式7月24日~閉会式8月9日。また選手が帰国する翌日の8月10日。パラリンピック開会式8月25日~閉会式9月6日までが、候補にあがっている。
また、通行料金が上乗せされない対象車両も明らかになった。高速道路の料金区分で、中型車、大型車、特大車。緑ナンバーの小型貨物、タクシーと自家用小型貨物。料金区分で中型車以上の車両は自家用であっても上乗せされないが、普通車、軽自動車等は、社用で荷物を運んでいても自家用の場合は値上げされる。普通車以下の車両ではETC車が対象。
料金システム改修費、夜間割引の実施費用、料金施策変更の広報費は、上乗せした1000円分の料金収入を活用することが考えられている。検討会に提出された資料では「料金上乗せに伴う収入とその使途が均衡するように検討」と書かれている。
順調に関係者を移動させるため、首都高速を値上げする施策は、たびたび報道されてきた。そのたびにオリパラ推進本部や東京都は、その報道を否定してきた。今回も値上げすることは規定路線になったが、値上げ幅や会期については関係者としての正式決定は「できるだけ速やかに」と述べるに留めたが、27日の輸送連絡会議でも、検討会の内容をそのまま報告する。推進本部で正式決定を受けた後、関係する自治体の議会で通行料金値上げの承認を得る必要がある。( 取材/執筆/写真撮影、中島みなみ・中島南事務所=東京 文京)