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2019年8月26日【オピニオン】

オリパラ開催時、マイカーの首都高利用は1000円上乗せ

中島みなみ

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高速道路・イメージ

 

 

 26日、江東区の東京オリンピック・パラリンピック推進本部で、交通輸送技術検討会(座長・家田仁政策研究大学院大学教授)が開催された。検討会は、大会期間中に首都高速を利用するマイカーの通行料金を一律1000円値上げすることで、選手や競技関係者の移動を円滑にする提案を支持した。

 

期間中、東京都内を通行する車両は、通過車両も含めて一律1000円を上乗せして料金を支払う。対象は自家用貨物を除く白ナンバーに限定する。料金が値上げされるのは朝6時~22時まで。以下に挙げる事業用車両を除き、ETC/現金、両方の利用で一律に値上げする。選手村から開催地までの関係者の移動を円滑にするのが目的。

 

また、交通量を夜間にシフトさせるため深夜0時~4時までの間、首都高速全線で夜間割引を実施する。割引対象となる車両は、白ナンバーを含む全車種。障害者、福祉車両は事前の事前に登録することで、従来の通行料金で通行できる。

 

検討会の内容を説明する東京オリパラ組織委員会と東京都オリパラ準備局(26日・江東区/撮影:中島みなみ)

 

 1000円を上乗せする期間は、オリンピック開会式前の7月20日~23日と、オリンピック開会式7月24日~閉会式8月9日。また選手が帰国する翌日の8月10日。パラリンピック開会式8月25日~閉会式9月6日までが、候補にあがっている。

 

また、通行料金が上乗せされない対象車両も明らかになった。高速道路の料金区分で、中型車、大型車、特大車。緑ナンバーの小型貨物、タクシーと自家用小型貨物。料金区分で中型車以上の車両は自家用であっても上乗せされないが、普通車、軽自動車等は、社用で荷物を運んでいても自家用の場合は値上げされる。普通車以下の車両ではETC車が対象。

 

料金システム改修費、夜間割引の実施費用、料金施策変更の広報費は、上乗せした1000円分の料金収入を活用することが考えられている。検討会に提出された資料では「料金上乗せに伴う収入とその使途が均衡するように検討」と書かれている。

 

 順調に関係者を移動させるため、首都高速を値上げする施策は、たびたび報道されてきた。そのたびにオリパラ推進本部や東京都は、その報道を否定してきた。今回も値上げすることは規定路線になったが、値上げ幅や会期については関係者としての正式決定は「できるだけ速やかに」と述べるに留めたが、27日の輸送連絡会議でも、検討会の内容をそのまま報告する。推進本部で正式決定を受けた後、関係する自治体の議会で通行料金値上げの承認を得る必要がある。( 取材/執筆/写真撮影、中島みなみ・中島南事務所=東京 文京)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。