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2024年6月27日【イベント】

アストンマーティン ヴァンテージ、北米でも初優勝を果たす

坂上 賢治

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アストンマーティンの新型Vantage GT3は6月24日(米ニューヨーク州ワトキンズ・グレン発)、ザ・グレン(ワトキンズ・グレン・インターナショナルサーキット/Watkins Glen International Circuit)で開催されたIMSAスポーツカー選手権GTD Proクラスで、パートナーチームのHeart of Racing Teamと共に初勝利を手にした。

 

ワトキンズ・グレン6時間耐久レースでは、土砂降りによってトラックに水が溜まり、レース中盤ではレッドフラッグが出て中断になる場面もあったが、ワークスドライバーのロス・ガン選手(英国)および FIA世界耐久選手権のレギュラー・ドライバーであるアレックス・リベラス選手(スペイン)は反撃を開始。

 

 

当初は、急変する天候のコンディションに合ったタイヤが履いていたことを指摘され、周回遅れとなったものの、Heart of Racing Teamならではの戦略づくりと、リベラス選手の判断力と勇敢な走りに支えられ、再び上位争いに加わる。

 

途中、レース中段以降でレッドフラッグとなった後に解除され、その際、フィールドがグリーンフラッグの状態に戻る最終ステージで、ガン選手はGTD Proクラスの首位を走るコルベットと16分差で2位につけた。

 

しこの際ガン選手は、先頭車は残燃料が少ないことを把握していたため、滑りやすいコンディションであるにも関わらず果敢にプレッシャーをかけ、ライバルは最終ラップで燃料補給のためピットに入らざるを得なくなった。これによりHeart of Racing Teamはクラス首位の座を奪い、トップでのゴールラインを潜った。

 

 

この結果にチーム・プリンシパルのイアン・ジェームス氏は、「本日はHeart of RacingチームとVantageにとって夢のような素晴らしい日になりました。もちろん以前から、このような結果をすべてのシーズンで出すために多大な努力を重ねてきました。

 

しかしロスとアレックスは前回のデトロイト戦では表彰台に立つことができませんでしたが、今シーズンへの弾みがつき始めています。

 

ル・マン24時間レースでは、不運に見舞われる直前まで優勝争いに加わっていたため、次のレースでこうして今季初の勝利を掴んで勢いを取り戻すことができ、素晴らしいと感じています。

 

私たちは見事なパフォーマンスによって、厳しい状況を落ち着いて切り抜けることができました。この快挙を成し遂げたチーム全員に心から感謝いたします」と語った。

 

 

また今回、米国でも最も権威ある耐久レースで8回目の優勝に輝いたグレン選手は、「新型Vantage GT3は、あらゆるコンディションにおいて優れた性能を発揮しますが、とりわけワトキンズ・グレンではその強さが際立ったと思います。

 

正直なところ、このモデルで勝利を手にする兆しは少し前から感じていました。私たちはVantage GT3に秘められた大きな可能性を生かす挑戦を始めたばかりです。今日はアレックスが大活躍したので、彼こそが優勝の美酒に酔うに相応しい仕事を果たしたのだと思います」と話した。

 

この2人がワトキンズ・グレンで優勝を勝ち取ったのは、同じくHeart of Racing Teamと共にVantage前世代モデルで勝利した2022年のレースに続き、今回が2回目となった。

 

 

現在、ガン選手はGTD Proクラスの上位者と60ポイント差で3位のランクインしており、リベラスは5月にFIA WECスパ6時間耐久レースに出場し、ラグナ・セカ戦には不参加であったため8位となっている。

 

現時点では、新型Vantage GT3のパフォーマンスの高さは素晴らしく、パートナーチームであるMagnus Racingがジョン・ポッター選手(米国)、アンディ・ラリー選手(米国)、スペンサー・パンペリー選手と共に挑んだ3度目のGTDクラス戦で、3位を獲得し表彰台に上がったことをみても上り調子にある。

 

アストンマーティン新型Vantage GT3は、今年初めにシルバーストーンで初披露された新型Vantageロードカーと同じ機械的アーキテクチャを備え、アストンマーティンの実績ある接着アルミシャシーを中心に組み立て、4.0リッターV8ツインターボエンジンを搭載したモデルであり、6月に参戦したレースでは主要3大陸において優勝を飾っている。

 

Vantage GT3は、鈴鹿で開催されたSUPER GTのGT300クラスでD’station Racing Teamと共に初優勝を手にし、Blackthorn Racing Teamは先週末のル・マン24時間レースの直前に開催された著名なラ・サルト・サーキットでのロード・トゥ・ル・マン第2戦で欧州初優勝を達成した。

 

 

この勝利に続き、同チームは日曜日に行われたスパ・フランコルシャンでのブリティッシュGT選手権シルバー・アマ・クラスで準優勝し、新型Vantage GT4で挑んだForsetti Motorsport Teamは、GT4シルバークラスで優勝の賛辞を浴びた。これは同チームがVantageで掴んだ4度目のクラス優勝であり、残り4戦となった現在は、GT4のシルバーとプロ・アマ・クラスの両方で首位に立っている。

 

これらの実績を踏まえ耐久モータースポーツ責任者のアダム・カーター氏は、「6月は、アストンマーティン新型Vantage GT3が日本、欧州、そしてこの度米国で優勝を果たした記念すべき月になりました。

 

当社をIMSA選手権での初タイトル、ロレックス・デイトナ24時間レース優勝へと導いたパートナーであるHeart of Racing Teamこそが、米国初の栄冠に輝いたチームに相応しいといえます。

 

 

アストンマーティンの全員にとって大きなモチベーションになっており、今週末のスパ24時間レースでもニュルブルクリンク24時間レースやル・マン24時間レースで示した素晴らしい可能性を発揮し、最高の結果を残すことを目指します」と述べている。

 

なお2024 IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦は、カナダのカナディアンタイヤ・モスポート・パークで7月14日に開催される。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

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1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。