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2025年1月24日【イベント】

アストンマーティン、ヴァンテージで今季のデイトナ優勝を狙う

坂上 賢治

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今週末、世界的に有名な米国フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで2025年IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権が開幕を迎える中、アストンマーティンは、新型Vantage(ヴァンテージ)GT3が、北米随一の耐久レース「ロレックス・デイトナ24時間レース」で優勝を狙っていくことを宣言した。

 

その第63回ロレックス・デイトナ24時間レースは、2025年1月25日(土)米国東部時間13:40(GMT-5時間)に火蓋が切られる。

 

現在Heart of Racing(HoR)とアストンマーティンは、最新のワークスハイパーカーValkyrie(ヴァルキリー)の準備を進め、ルサイルで開催されるFIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦であるカタール1812kmレースに於ける世界舞台デビューと、その3週間後の3月15日に開催されるセブリング12時間レースでのIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラス・デビューに備えている。

 

 

このため、世界各国での耐久モータースポーツシーンに参戦していく今季。デイトナ・インターナショナル・スピードウェイでGTD ProとGTDの両カテゴリーでの栄冠を狙う役割は、2024年スパ24時間レース優勝のアストンマーティンVantage GT3が担うことになった。

 

HoRのドライバー布陣は、どちらのクラスも豪華な顔ぶれで、2022年のタイトル獲得と2023年のロレックス24時間レース優勝に続く勝利を狙う。IMSA選手権で何度も優勝しているMagnus Racing(マグナスレーシング)と、IMSA GTDクラス初参戦のvan der Steur Racing(ファンデルストゥールレーシング)もこの挑戦に加わる。

 

 

出場車両はすべて、直近の主要国際24時間レースであった昨年のスパ24時間レース(ベルギー)で優勝を果たし、デビューシーズンとなった2024年の主なグローバル耐久シリーズでおしなべてクラス勝利を挙げたVantage GT3となる。

 

参戦チームでは、ウルトラ・ラグジュアリーなロードカーと同じ機械的アーキテクチャを採用し、アストンマーティンの実績ある接着アルミシャシーを中心に組み立てられ、4.0リッターV8ツインターボエンジンを動力源とするVantage GT3は、世界を制するポテンシャルを備えていると自信を深めているようだ。

 

2022年にVantageでIMSA GTDタイトルを獲得した、シアトルと拠点とするパートナーチームのHoRは、GTD Proに1台、GTDに1台という編成で2クラス優勝に挑む。

 

2023年にHoRがデイトナでGTD優勝を果たしたときのラインアップに名を連ねていた、2022年IMSA GTDドライバーズ・チャンピオンのロマン・デ・アンジェリス選手(カナダ)とFIA世界耐久選手権で3度チャンピオンに輝いたマルコ・ソーレンセン選手(デンマーク)が、IMSA優勝チームHoRの常連、ロス・ガン選手(英国)とアレックス・リベラス選手(スペイン)と組み、今回はGTD Proクラスの#007のVantageを駆る。

 

 

GTDに出場するHoRの#27のハンドルを握るのはIMSAとヨーロピアン・ル・マン・シリーズの両方でチャンピオンに輝いたザカリー・ロビション選手(カナダ)、両者とも英国出身のトム・ギャンブル選手とキャスパー・スティーブンソン選手、AMRワークスドライバーで2023年のGTワールド・チャレンジ・ヨーロッパ・スプリントのタイトル勝者であるマッティア・ドゥルディ選手(イタリア)で、スティーブンソン選手とドルディ選手は今週末がIMSA初参戦となる。

 

2025年もロレックス24時間レースのGTDクラスに活気を吹き込んでくれるのは、アストンマーティンのパートナーチーム、Magnus Racingだ。

 

 

ロレックス24時間レースで2度の優勝を果たし、2023年にはVantageで見事なデイトナ2位フィニッシュを決め、昨年のワトキンズ・グレン6時間レースでは表彰台を獲得している。チームの常連ジョン・ポッター選手(米国)、アンディ・ラリー選手(米国)、スペンサー・パンペリー選手(米国)に、FIA WEC GT世界チャンピオンに2度輝いているAMRワークスの星、ニッキ・ティーム選手(デンマーク)が加わる。

 

今年のロレックス24時間レースに参戦する最後の4台目のVantageは、van der Steur Racingから出場する。IMSAミシュラン・エンデュランス・カップ(デイトナ、セブリング、ワトキンズ・グレン、インディアナポリス、ロード・アメリカで開催されるウェザーテック・スポーツカー選手権のラウンドで構成される)を競う同チームは、Vantage GT4でIMSAミシュラン・パイロット・チャレンジ(IMPC)のチーム・チャンピオンシップ3位を獲得して好調だった2024年に続き、今回はVantage GT3での初レースに臨む。

 

 

#19のVantageは、アストンマーティンのワークスドライバーのヴァランタン・アス・クロー選手(フランス)、2024年ミシュラン・ル・マン・カップGT3チャンピオンのマキシム・ロビン選手(フランス)、ランボルギーニ・スーパートロフェオPro-Am現ワールドチャンピオンのアンドリュー・マッキントッシュ選手(カナダ)とローリー・ヴァン・ダー・スチュア選手(米国)がドライバーを務める。

 

4台の新型アストンマーティンVantage GT4は、デイトナで金曜日の米国東部時間13:45(GMT-5時間)に開始される4時間のIMPC開幕レースにも参戦する。2024年にドライバー、チーム、マニュファクチャラーの各部門タイトルを獲得したアストンマーティンは、IMPC開幕戦に3チームが出場する。

 

 

昨年のタイトル王者Team TGMは、ドライバー部門チャンピオンのマット・プラム選手(米国)とポール・ホルトン選手(米国)が#46、チームオーナーのテッド・ジョヴァニス選手(米国)、ヒュー・プラム選手(米国)、クリス・ヒルトン選手(米国)が#64に乗り込む。

 

彼らに加え、van der Steur Racingのクリスティーン選手およびベン・スロス選手(どちらも米国)とRebel Rock Racingも出場する。昨年3月にセブリングで最新型Vantage GT4の初優勝を勝ち取ったフランク・デピュー選手(米国)とロビン・リデル選手(英国)が、デイトナでは元シリーズチャンピオンのアンドリュー・デイヴィス選手(米国)とともにRebel Rock Racingに加わる。

 

アストンマーティンの耐久モータースポーツ責任者のアダム・カーター氏は、「ロレックス・デイトナ24時間レースは北米で最も名高く、世界でも最高峰の一つに数えられる耐久レースであり、世界の主要シリーズの先頭を走るVantageが最高のコンディションで今週末の複数カテゴリー優勝に再び挑むにこの上なくふさわしい舞台です。

 

チャンピオンシップ優勝経験のあるAMRワークスドライバーが数多くいることを含め、私たちの強力なラインアップは、アストンマーティンが北米でパートナーチームに提供する深い技術サポートとともに私たちの大きな誇りであり、アストンマーティンにとって北米大陸で成功を重ねていくことがいかに大切か、明確なメッセージを発信するものです。

 

デイトナはスリリングなイベントとなることが予想されますが、3月のセブリングにおけるValkyrieのIMSAデビューに向けて、祝うことのできるフィニッシュを決めようと思います」と話している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。