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2024年8月9日【ESG】

アーチャー、米LAに於けるエアタクシー計画を公開

坂上 賢治

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アーチャー( Archer Aviation Inc. / 米国カリフォルニア州サンノゼ発 )は8月8日、米国・ロサンゼルスで広域エアタクシー運行のネットワークを立ち上げ、自動車による1~2時間ドライブを10~20分の飛行体験に置き換える計画を明らかにした。

 

その計画中のネットワーク網には、ロサンゼルス国際空港( LAX )、南カリフォルニア大学、オレンジ郡、サンタモニカ、ハリウッド、バーバンク、ロングビーチ、ヴァンナイズなどの主要地点の垂直離着陸場が含まれている。アーチャーの目標は、早ければ2026年までにロサンゼルスのネットワーク運用を開始することにあるとした。

 

併せて同社はロサンゼルス・ラムズやハリウッド・パーク( ソファイ・スタジアムを中心とした310万平方フィートのSoFiスタジアムを中心とした約300エーカーの地区 )と連携。主要なスポーツイベントが実施されることを前提に、同地域で複数の独占的な垂直離着陸場を建設する計画を進めているという。

 

そんなアーチャーの当面の目標は、南カリフォルニアの住民と訪問者の通勤、旅行、余暇の過ごし方を変えることにあるとした。また早ければ2026年までにLA上空に於けるネットワーク網を敷き、オンデマンド運行を開始することにあるとしている。

 

電動垂直離着陸機( eVTOL  / 空飛ぶクルマ )アーチャーのエアモビリティを利用する顧客は、あらかじめ用意された最寄りの垂直離着陸場( バーティポート )に行き、そこからアーチャーのエアタクシーでネットワーク内に示されている希望の目的地まで10~20分飛行できるようになる。これにより、渋滞に巻き込まれる無駄な時間が大幅に短縮される。

 

先の通り南カリフォルニア大学も、アーチャーの計画するロサンゼルス ネットワークに参加する。今後2年間で、アーチャーと南カリフォルニア大学は、南カリフォルニア大学の既存のヘリポートをミッドナイトやその他の垂直離着陸機用に改造する計画を策定。

 

南カリフォルニア大学の最終的な目標は、将来的にキャンパス、スポーツ施設、病院への行き来を簡単かつ迅速に、そして持続可能な方法で訪問者に提供することにあるという。

 

 

アーチャーでCEOを務めるアダム ゴールドスタイン氏は、「これはアーチャーにとって大きな契機となるものです。

 

今後4年間に於いて、この地域で開催される世界的なイベントに先立ちLAでネットワーク網を確立することは、我々のエアタクシー〝ミッドナイト〟を全世界に披露することに繫がる出来事であるからです。

 

もとよりLAはひどい交通渋滞で知られている街です。それゆえ私たちが目指す目標は、持続可能でありながら、より安全で、より速い代替移動手段を提供することです。

 

そのなかで我々の有人4人乗りeVTOLのミッドナイトは、このネットワークで重要な役割を果たします。当機は、地上輸送に代わる安全かつ低騒音代替交通を地域の皆作へ提供するために設計されています。最高時速150マイルで移動し、地上で1時間かかる通勤時間を空中での数分間に短縮します」と話している。

 

またギャビン・ニューサム知事は、「常に革新を追い求めるカリフォルニアは、我々の生活の上での様々な課題を解決するため、イノベーション、起業家精神、クリーンエネルギーなど、何を取り入れれば何が可能になるかを世界に示す場所でもあります。

 

アーチャー・アビエーションのような地元企業は、カリフォルニアの汚染削減、空気の浄化、交通量の削減に役立つ次世代のゼロエミッション輸送の先駆者です。アーチャーの画期的な技術をハリウッドパークに導入する機会を得て、大変嬉しく思います。」と述べた。

 

更にロサンゼルス・ラムズのケビン・デモフ社長は、「これは、スポーツとエンターテインメントのこの革新的な世界的目的地の構築を継続する中で、ゲストの体験を向上させるという当社の取り組みを強調するものです。

 

また、この発表はアーチャーがサンフランシスコ湾岸地域で計画している交通ネットワーク、およびアーチャーが最近発表したサウスウエスト航空およびユナイテッド航空との連携関係を補完するものであります」と語った。

 

アーチャーの有人4人乗り電気飛行機ミッドナイトの特徴は以下の通り

 

– 最高時速150マイルで移動し、地上で1時間かかる通勤時間を空中で数分に短縮する。
– 最短の充電時間で20~50マイルの連続飛行ができるよう設計されている。
– 巡航高度ではヘリコプターの100倍静かいである。
– 航空機全体に冗長システムを搭載することで、アーチャーは民間航空機と同等の- 安全性を目標とすることができる。
– パイロットと最大4人の乗客、機内持ち込み手荷物を運べるように設計されている。

 

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

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株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。