アーチャー( Archer Aviation Inc. / 米国カリフォルニア州サンノゼ発 )は8月8日、米国・ロサンゼルスで広域エアタクシー運行のネットワークを立ち上げ、自動車による1~2時間ドライブを10~20分の飛行体験に置き換える計画を明らかにした。
その計画中のネットワーク網には、ロサンゼルス国際空港( LAX )、南カリフォルニア大学、オレンジ郡、サンタモニカ、ハリウッド、バーバンク、ロングビーチ、ヴァンナイズなどの主要地点の垂直離着陸場が含まれている。アーチャーの目標は、早ければ2026年までにロサンゼルスのネットワーク運用を開始することにあるとした。
併せて同社はロサンゼルス・ラムズやハリウッド・パーク( ソファイ・スタジアムを中心とした310万平方フィートのSoFiスタジアムを中心とした約300エーカーの地区 )と連携。主要なスポーツイベントが実施されることを前提に、同地域で複数の独占的な垂直離着陸場を建設する計画を進めているという。
そんなアーチャーの当面の目標は、南カリフォルニアの住民と訪問者の通勤、旅行、余暇の過ごし方を変えることにあるとした。また早ければ2026年までにLA上空に於けるネットワーク網を敷き、オンデマンド運行を開始することにあるとしている。
電動垂直離着陸機( eVTOL / 空飛ぶクルマ )アーチャーのエアモビリティを利用する顧客は、あらかじめ用意された最寄りの垂直離着陸場( バーティポート )に行き、そこからアーチャーのエアタクシーでネットワーク内に示されている希望の目的地まで10~20分飛行できるようになる。これにより、渋滞に巻き込まれる無駄な時間が大幅に短縮される。
先の通り南カリフォルニア大学も、アーチャーの計画するロサンゼルス ネットワークに参加する。今後2年間で、アーチャーと南カリフォルニア大学は、南カリフォルニア大学の既存のヘリポートをミッドナイトやその他の垂直離着陸機用に改造する計画を策定。
南カリフォルニア大学の最終的な目標は、将来的にキャンパス、スポーツ施設、病院への行き来を簡単かつ迅速に、そして持続可能な方法で訪問者に提供することにあるという。
アーチャーでCEOを務めるアダム ゴールドスタイン氏は、「これはアーチャーにとって大きな契機となるものです。
今後4年間に於いて、この地域で開催される世界的なイベントに先立ちLAでネットワーク網を確立することは、我々のエアタクシー〝ミッドナイト〟を全世界に披露することに繫がる出来事であるからです。
もとよりLAはひどい交通渋滞で知られている街です。それゆえ私たちが目指す目標は、持続可能でありながら、より安全で、より速い代替移動手段を提供することです。
そのなかで我々の有人4人乗りeVTOLのミッドナイトは、このネットワークで重要な役割を果たします。当機は、地上輸送に代わる安全かつ低騒音代替交通を地域の皆作へ提供するために設計されています。最高時速150マイルで移動し、地上で1時間かかる通勤時間を空中での数分間に短縮します」と話している。
またギャビン・ニューサム知事は、「常に革新を追い求めるカリフォルニアは、我々の生活の上での様々な課題を解決するため、イノベーション、起業家精神、クリーンエネルギーなど、何を取り入れれば何が可能になるかを世界に示す場所でもあります。
アーチャー・アビエーションのような地元企業は、カリフォルニアの汚染削減、空気の浄化、交通量の削減に役立つ次世代のゼロエミッション輸送の先駆者です。アーチャーの画期的な技術をハリウッドパークに導入する機会を得て、大変嬉しく思います。」と述べた。
更にロサンゼルス・ラムズのケビン・デモフ社長は、「これは、スポーツとエンターテインメントのこの革新的な世界的目的地の構築を継続する中で、ゲストの体験を向上させるという当社の取り組みを強調するものです。
また、この発表はアーチャーがサンフランシスコ湾岸地域で計画している交通ネットワーク、およびアーチャーが最近発表したサウスウエスト航空およびユナイテッド航空との連携関係を補完するものであります」と語った。
アーチャーの有人4人乗り電気飛行機ミッドナイトの特徴は以下の通り
– 最高時速150マイルで移動し、地上で1時間かかる通勤時間を空中で数分に短縮する。
– 最短の充電時間で20~50マイルの連続飛行ができるよう設計されている。
– 巡航高度ではヘリコプターの100倍静かいである。
– 航空機全体に冗長システムを搭載することで、アーチャーは民間航空機と同等の- 安全性を目標とすることができる。
– パイロットと最大4人の乗客、機内持ち込み手荷物を運べるように設計されている。