地域の身近な公共交通機関の路線バスは、全国的に深刻化する運転士不足を背景に急速に減便・廃止が進んでいる。そうしたなか尼崎市は、全国初の取組として市外からバス運転士として転入する人材へ市営住宅の空き室提供を開始した。これは令和6年3月に策定した尼崎市総合交通計画に基づき、持続可能な公共交通ネットワークの構築を整備する取り組みの一環であるという。
(1)事業の目的
市営住宅の空き室提供による職住近接や家賃負担の低減など、バス運転士が働きやすい環境づくりを支援することによるバス運転士要員の確保及び市内路線バスネットワークの維持。
あまがさき住環境支援事業「REHUL(リーフル)」
(2)事業スキーム
市営住宅の空き室提供に際し、令和4年度から尼崎市と生活協同組合コープこうべで実施している自治会支援等を目的とした、あまがさき住環境支援事業「REHUL(リーフル)」 <557KB>ネットワークグループに阪神バスが加盟。加盟に当たり、阪神バス、コープ及び市の三者で覚書を交換する。
(3)提供する空き室
新規の入居者募集を停止している市営住宅(建替え対象に限る)
(4)用途
阪神バスが新規採用するバス運転士のうち、就職に伴い市外から転入する者等の居住。
(5)阪神バスが加盟することにより期待できる効果
バスの乗り方教室や交通安全教室等を市営住宅集会所等で実施することによる地域コミュニティの活性化、また、「REHUL」ネットワークグループに加盟する各団体の各種活動支援(バス車内広告枠等を活用した活動の広報支援や支援者への就労支援等)による団体活動の活性化等
(6)今後について
令和7年1月末頃から順次入居を開始していく予定。提供戸数については、居住状況や自治会活動の状況を確認しながら拡大していく。また市内を運行する他の路線バス事業者についても希望に応じて提供していく予定。
尼崎市では、今後、市内の公共交通ネットワークの維持に向けては市と路線バス事業者との連携を深めていくことが重要であるため、協働での取組について引き続き検討を進めていきます」と話している。