アリババ(阿里巴巴/Alibaba)は1月9日、自動車業界におけるデジタル・インテリジェンスの活用を促進する取り組みの一環として、中国の大手自動車メーカーの「China FAW Group(中国第一汽車集団/以下、FAW Group)」と、次世代インテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の共同開発に関するパートナーシップを締結した。
また、スマート・ロジスティクスやHDマップ(高精度3次元地図)などの実用化に向け、エッジ・コンピューティングやIoT、ブロックチェーンといった最先端テクノロジーの共同研究の実施についても合意した。
FAW Groupは、中国の三大国有自動車メーカーひとつで、トヨタ自動車、マツダ、フォルクスワーゲンを含むグローバル・ブランドと合弁企業を設立する等、様々な企業との提携を行っている。
両社は、今回のパートナーシップを通じて、アリババが主導するオープン・モバイル・プラットフォーム「Banma Network Technology」を活用し、新しいICV運用システムの構築を目指すとしている。
具体的には、FAW Groupは、Banmaのテクノロジーやプラットフォーム等を活用し、次世代自動車向けに、スマート・コクピット・ソリューションを設計する。
アリババは、昨年8月に独自の基本ソフト(OS)技術を、パートナー企業向けに公開。今回のパートナーシップは、それ以降、同社初の戦略的パートナーシップとなる。
今後FAW Groupは、アリババクラウド等を活用し、自社のグローバル・デジタル基盤を構築する予定。また、アリババのデータ・インテリジェンス・テクノロジーを活用し、製品の研究開発やマーケティング、カスタマーサービスの向上およびオペレーションの最適化等を目指す。
アリババは、2010年に自動運転システムの自社開発に着手し、2016年に最初のインターネットカーを発表。このクルマでは、ARナビゲーション、インテリジェント音声認識、HDマップ(高精度3次元地図)、O2O(Online to Offline)サービス注文、フード・マップ、ドライブスルー決済機能などに対応し、様々な新たな体験提供の試みが行われている。
また現在、アリババのオート・ソリューションは、中国で、上海汽車集団(SAIC)、Dongfeng Peugeot Citroen Automobile、Changan Ford、およびシュコダ・オートが製造する約100万台の自動車に搭載されている。
アリババは、自動車メーカーのデジタル・トランスフォーメーションのニーズに対して、オープンかつ協力的に取り組んでいくとしている。
■FAW(英語):http://www.faw.com/